「韓国では、ものまねタレントを、“イミテーション芸能人”と呼んでいます。当社には、BoA(21)やハリス(32)の“そっくりさん”をはじめ、多数のタレントが所属しており、イベント出演など、ステージを中心に活動しています」そう話すのは、韓国のものまねタレント事務所『イミテーション芸能人クラブ』代表の“チュ・ユンピル”さん。その名のとおり、自身も、韓国歌謡界の大御所、チョー・ヨンピル(57)のそっくりさんとして活動する、韓国ものまね界の第一人者だ。写真のBoA(芸名・BOHA)やハリス(同・ハリシュ)は、いずれもチュさんの事務所に所属する“イミテーション芸能人”である。
「韓国では、エンタテインメントとしての“ものまね文化”が確立されておらず、歌まねや形態模写だけでは、芸能界で生き残れないのが現状です。そのため、イミテーション芸能人は、ものまねをするタレントの容姿はもちろん、声や仕草などすべてを完璧にコピーし、本人になりきることが必要とされます」とチュさんが言うように、韓国には、まるで本人の“生き写し”のようなイミテーション芸能人が多数活躍中。「ファンですら、本人と見分けがつかないほど似ているケースもあり、それを悪用した事件も発生したほどです」
今年6月には、人気歌手、パク・サンミン(47)のそっくりさんとして活動していたタレントが、本人になりすまして公演を開催し、御用に。事情聴取を担当した検察官も、本人とニセ者の区別がつかないほどの“激似”ぶりだったというから驚きだ。「ファンを混乱させないためにも、我々は、事前にきちんと、そっくりさんであることを明確にして舞台に上がるようにしています。私は、年間100本を超えるステージに出演していますが、最近は、日本人のお客様の前で、歌を披露する機会が増えました。これも、ドラマ『冬のソナタ』から始まった“韓流ブーム”のおかげです(笑)」
その“冬ソナ”ブームから生まれたのが、ペ・ヨンジュン(35)のそっくりさんとして活躍中のタレント、キム・ミョンソプさんだ。キムさんは、‘05年に韓国で開催された、『冬のソナタ・そっくりさんコンテスト』(主催・龍平リゾート)で優勝。
同じく、チェ・ジウ(32)のそっくりさんに選ばれた、ファン・ウギョンさんとのツーショット写真に、見覚えのある方も多いだろう。「ネットでコンテストの開催を知り、軽い気持ちで応募したのですが、2次、3次と審査が進むにつれ、『もしかしたら、優勝できるかも』と思うようになったんです。もともとタレント志望ではありませんでしたが、コンテスト優勝をきっかけに芸能界入りし、それまでの平凡な人生が一変しました」(キムさん)現在、彼は龍平リゾートの広報大使を務めるかたわら、各種イベントや、日本人観光客にも人気の韓国舞台『JUMP』に出演中。日本のバラエティ番組『くりぃむナントカ』(テレビ朝日系)にも何度も出演している。「広報大使として、ソウルや済州島のホテルで開かれるディナーショーに出演する際は、冬ソナの“チュンサン”になりきって、日本人のお客様の前で演技をすることもあります。本物のヨンジュンさんではないのに、日本のファンの方々は、とても温かく接してくださるので、非常に光栄に思っています」タレント活動を始めた直後は、本物のヨン様に間違えられることもあったそうで、「ロッテデパートで開催されたイベントでは、私を本物と間違えた観光客の方々から記念写真を頼まれ、急きょ、予定になかった撮影会を行ったこともありました。ふだんはまったく似ていませんが、メガネやマフラーで扮装すると、ヨンジュンさんに似てくるようですね(笑)」今後も、ヨン様のそっくりさんとしての活動は継続する意向と言うキムさん。「ペ・ヨンジュンさんに似ているというだけでなく、ひとりのタレントとして評価してもらえるようになるのが目標。もちろん、ヨンジュンさんのファンの方々に喜んでいただけるのであれば、今後もそっくりさんとしての活動を続けていくつもりです」
こうした“プロ”が芸能界で活躍する一方、最近では、“素人”のそっくりさんが話題になることも。「近ごろ注目を集めたのは、ネットの個人サイトで紹介された、ウォンビン(30)のそっくりさんです。彼は、地方都市で『機動警察官』として服務中の学生なのですが、写真のとおり、外見はウォンビンとウリふたつ。SBSテレビでは、実際に彼を探し当て、声も似ているか専門的に分析する企画が放送されました」(韓国紙記者)同時期に、ネット上では、キム・テヒ(27)にそっくりな男子高校生、キム・テヒョン君(学園祭で変装した姿!)が紹介され、こちらも大きな反響を呼んだ。「残念ながら、2人とも芸能界入りには興味がないようで、現在、取材はすべて断っているそうです」(前出の記者)「世の中には、同じ顔の人間が3人いる」という言い伝えは、やっぱり本当なのかも。

関連カテゴリー:
関連タグ: