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韓国で公開1週目の観客動員数が『ラ・ラ・ランド』を越えた映画『あなた、そこにいてくれますか』は、フランスの人気作家ギヨーム・ミュッソの小説で、世界30カ国で1位を記録したベストセラー『あなた、そこにいてくれますか』(10月5日〔木〕潮出版社より発売決定)が原作のラブストーリー。

 

過去に戻れる薬を手に入れた医師のハン・スヒョンは、30年前に亡くなった恋人・ヨナにもう一度会いたいと1985年にタイムスリップし、過去の自分と出会う。ヨナを救うと、娘の存在を消してしまうことになる葛藤の中、現在と過去のスヒョンが奔走する。

 

劇中で若きスヒョンを演じるのは、韓国の大ヒットドラマ『ミセン-未生-』で脚光を浴びた俳優ピョン・ヨハン。甘いマスクに視線を奪われるが、実は韓国最難関の芸術大学出身で、学生時代から短編映画に出演し、独立映画界のスターと呼ばれる実力派。商業映画は今作がはじめてだという韓国の次世代ホープにスペシャルインタビュー!ヴェールに包まれた素顔に迫ります。

 

――これまで独立映画を中心に活動されてきたなかで『あなた、そこにいてくれますか』を初の商業映画作品として選んだ理由は?

 

入隊していたときに偶然、原作の小説を読んでいました。当時も面白くていい小説だなと感じたのを覚えています。それから数年が経ち、ホン・ジヨン監督が脚色して実写化すると知り、これは絶対やってみるべきだと思って出演を決めました。

 

――キム・ユンソクさんとの2人1役でしたが、スヒョンを演じるにあたって俳優としてどんな期待感がありましたか?

 

原作の小説にはとても多くの読者がいます。その方たちにどれくらい共感してもらえるだろうか……僕には冒険でした。もし原作のないオリジナル脚本だったら、僕がいちばん最初に表現することができるのでプレッシャーなく取り組めたかもしれませんが、今作は原作があって、人気作ですし、ストーリーも深く印象的です。プレッシャーはありましたが、共演のキム・ユンソク先輩がいらっしゃること、そして監督の脚色が素晴らしかったので、安心して撮影に入ることができました。

 

――役作りで努力したことは?

 

30年前のスヒョンが持っていた熱い愛情、恋人のヨナを見つめるとき、ヨナと別れるとき、など、スヒョンがどれくらいヨナを愛しているのかをできるだけ具体的に表現しようと努力しました。そうしてこそ、30年後のスヒョンが目の前に現れることへの理由が明確になると考えたんです。ギヨーム・ミュッソの原作を読みながら、若かった30代のエリオット(劇中:スヒョン)の感情についてとても共感できる部分、恋人をいかに愛していたのか、そういった感情をしっかりと観客の皆さんに伝えたいと思いました。

 

――スヒョンは大切な人のために、最終的には自分を犠牲にすると言えますよね。それについてヨハンさんはどう考えますか?

 

本当に難しいですよね。自分だったらどうするだろうとたくさん考えました。実は、この役を演じるまで、“愛しているから別れる”という選択肢はないと思っていたんです。だけど、スヒョンはヨナや娘を愛しているからこそヨナと別れるという道を選んだ。それを見て、なるほどなあと思いました。愛しているからこそ相手の手を離すという選択肢も起こりうるんだなあと。僕と別れなければ彼女は死んでしまう…そうなったら僕もスヒョンと同じ道を選ぶと思います。

 

――若いスヒョンは真っ直ぐすぎるくらい情熱的な青年ですが、スヒョンが実在したらヨハンさんは友達になると思いますか?

 

もちろんですよ!仲良くならない理由がないですよね。だってスヒョンは医者だから、もし体調を崩してもすぐ診てもらえるじゃないですか(笑)。そしてスヒョンの恋人はイルカの調教師ですし、スヒョンと友だちになって僕の彼女を連れてショーを見に行くのも楽しそうじゃないですか?

 

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――実際のヨハンさんも情熱的?

 

ロマンチストなところは似てますね!大学時代に教授から「役作りはすべて自分の中から始まる。だから自分の小さな感情や、動き方をしっかり把握することが大切」と教えてもらいました。なので、エネルギーの出し方に違いがあったとしても、今まで演じてきた全てのキャラクターに僕自身の要素が入っています。

 

――映画のほかにもドラマ、舞台と活躍の幅を広げられ、ライジングスターとして注目されています。人気を実感する瞬間はありますか?

 

実感したことがないと言うと嘘になりますが、僕はまだよく分からないです。僕は作品がなかったら(働きたくても)休まないといけません。作品が決まったら、その中のキャラクターとして観客の皆さんにお会いする。それが仕事に対する基本的な姿勢です。

 

――街に出たら声をかけられることもたくさんありそうですが。

 

そういう日もあるし、全く声をかけられない日もあります。今日は撮影があるのでヒゲを剃って、髪もセットしていますが、オフの日はヒゲを伸ばしていることが多いのでファンの皆さんもあまり気づかないみたいです(笑)。自由でいることが好きだし、僕はまだ成長している過程なので、プライベートが自由であってこそ色々な感情を吸収して俳優として学べると思っています。だから日頃から自然体でいるように心がけていますね。もし、ファンの皆さんと遭遇したらパッピンスを奢ってあげたりしますよ。

 

――キャラクターに入り込むタイプだそうですが、撮影が終わったらどうやって切り替えますか?

 

演じる役柄へ愛情が強いので、撮影している間はできる限り研究して追求するようにしています。作品が終わったら、まず最初に、そのキャラクターを自分の中から消す作業をするのですが、それが楽しかったりもします。具体的には、ピョン・ヨハンとしての生活を思いっきり楽しむんです。撮影が始まったら趣味をする時間もなくなるじゃないですか。だから、趣味に没頭してみたり、運動をしたり、美術展を回ったり。ほかにも友人の集まりに顔を出したり、両親に会いに行ってお説教を聞いたり(笑)。親に怒られると息子としての僕を発見できる。そうして色々なことを体感して普段の僕を取り戻していきますね。

 

――今回、日本でも劇場公開されますが、ヨハンさんは日本に来たことはありますか?

 

はい。友人たちと2、3回ほど行ったことがありますが、楽しかったです。僕、すごく歩くんですよ。それも3、4時間くらいずっと(笑)。どんな街なのか、どんな人達がいるのかをゆっくり見たいんです。ショッピングは最終日にまとめてすればいい。友人たちと歩きながらガイドブックには載っていないような小さなお店で食事をするのが旅行の醍醐味ですね。

 

――今後の目標を教えてください!

 

俳優として色々な葛藤を感じていて、まだまだ俳優として成長できると考えています。悩みとかなさそうに見えるかもしれませんが、かなり考え込むタイプなんですよ。「これで合ってるのかな?」「ちゃんとした道を歩いているのかな?」と悩みは尽きません。いつか引退する最後の日まで何本の映画に出られるだろうかと僕自身、気になります。そういう疑問は悲しくもあり、面白くもありますね。いつまで続けられるか分からない職業だからこそ、ロングランできる俳優になりたいです!

 

 

【INFORMATION】

 

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『あなた、そこにいてくれますか』(原題:당신, 거기 있어줄래요)

10月14日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー!

主演:キム・ユンソク、ピョン・ヨハン

監督:ホン・ジヨン

配給:ギャガ・プラス

公式サイト:http://gaga.ne.jp/anasoko/

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