韓国出身の6人組ボーイズグループ・2PMが10月26~27日の2日間にわたり、『THE 2PM in TOKYO DOME』を開催した。来年から次々とメンバーが入隊予定のため、この東京ドーム公演をもって6人での日本活動を一旦休止する2PMは、韓国デビューから8年、日本デビューから5年の活動の集大成となるステージを4時間にわたって披露。代表曲の『Heartbeat』から全30曲(アンコールを含む)のラストをヒット曲『I’ll be back』(27日のみ)で締めくくり、「言葉はいらない。必ず戻る」とメッセージを伝えた。
公演タイトル「THE 2PM」のロゴマークが入った幕が落ち、ステージ上部からクレーンに吊られた6人が登場。1曲目の『Heartbeat』のオープニングが流れると、会場が一気にヒートアップする。白地に赤い飛沫模様のスーツに赤い手袋をはめたメンバーは、大人の貫禄たっぷりにセクシーな歌声を披露。“ゾンビダンス”や組体操などの懐かしのパフォーマンスで、3年半ぶりの東京ドーム公演は幕を開けた。
続く『I’m your man』はネクタイを外すダンスで観客を魅了。鍛え抜かれた体が露わになると、悲鳴にも似た歓喜の声が上がる。思えば、デビュー当初は、服を破って筋肉を見せるパフォーマンスが2PMの代名詞であった時期も。ライブ序盤は、日本オリジナル曲『GIVE ME LOVE』、テギョンが手掛けた『Fight』と、彼らの真骨頂でもある迫力のダンスナンバーで会場を盛り上げる。
最初のMCコーナーでは、「東京ドーム! いよいよこの日がやってきました!」とJun.Kの掛け声で始まると、メンバーひとりひとりから、再び、東京ドームのステージに立った喜びとファンへの感謝の気持ちが語られた。
「待ちに待った3年半ぶりの東京ドームライブですが、そのとき、Hottestのみなさんと一緒に過ごした時間を思い出したら、本当に胸がいっぱいで、ときめきが止まらないです」(チャンソン)
「もう1回、この東京ドームでみなさんとお会いすることができて、本当に胸いっぱいです」(ニックン)
「そのときに僕は、この東京ドームでみなさんに会うことができるまで、僕たち、2PM、走り続けます! と言ったんですけど、3年半ぶりに、こうしてこのステージに立つことができて本当に嬉しいです。ありがとうございます。みなさんのおかげです」(テギョン)
さらに、2PMの日本単独ライブ通算100回目となる本公演。メンバーたちも、リハーサル中に目にした「100TH」の映像の文字を見て、「100回目なの?」と驚いたそう。「僕たち2PMが新しく夢をかなえた記念日だと思います」とJun.Kが言えば、「レコード会社が初めから計画していたとしたら素晴らしい」「偶然じゃない」「僕らへのプレゼントかな」などと、それぞれの気持ちを語り、会場の笑いを誘う。
そして、メンバーからの「セクシーな表情で紹介して」とリクエストを受けてテギョンが紹介したのは、日本で11枚目のシングル曲『Promise(I’ll be)』。「次の曲はみなさんに贈る僕たちの約束です」とテギョン。魅惑的な歌詞とセクシーなダンスが特徴の『My House』とそれぞれ、テギョン、Jun.Kが作詞・作曲を手掛けた楽曲が続いたほか、この日は、『Promise(I’ll be)』-Japanese ver.-』のカップリング曲として収録されたジュノプロデュースの『Wow』、チャンソンプロデュースの『Mayday』なども披露される予定で、MCでは曲に込めた思いも語られた。
「メンバーとみなさんのおかげでこの曲を作ることができました」(テギョン)
「Wowな曲です。すごくいい曲です! あとで聴けばわかる」(ジュノ)
「ファンのみなさんへの贈る感謝の気持ちを、恋人の言葉で表現した曲です」(チャンソン)
ウヨンがデザインした白の衣装でセンターステージに登場。薔薇の花びらが舞う演出で『Beautiful』のバラードバージョンを情感たっぷりに歌い上げると、椅子を使ったパフォーマンスで大人のムードたっぷりの『ハ.ニ.プン』、『この歌を聞いて戻ってきて』などを韓国語で熱唱した。
2回目のMCでは、新曲のタイトルに合わせて、メンバーからファンに贈る『Promise』“約束”を公言。
「この年が終わったら来年ですよね。みなさんに来年の挨拶を本当にしたいですから、約束します。近い場所でできれば、みなさんに会って“あけましておめでとう”という言葉を言うことを約束します!」(テギョン)
「いちばんセクシーな写真をSNSにアップします!」(Jun.K)
「(活動休止の間)みなさんが楽しめる何か、やります! 写真とか映像とか……」(チャンソン)
「僕は死ぬまでみなさんと一緒にいたい……歌手だから死ぬまで歌います!」(ジュノ)
「いつかソロアルバムを作ります。これはプロミスです」(ニックン)
「Hottestのみなさんを応援します!」(ウヨン)
今晩写真をアップするというJun.Kに「今晩?」とお酒を飲むポーズをするテギョン。ジュノには、「『死ぬまで』という単語が好きだからね」とツッコミを入れ、ウヨンには、「昨日も言ったじゃん、ほかの主張はないの?」といじり、そんなメンバー同士の楽しい掛け合いも2PMのMCならでは。
ライブ中盤は、トロッコでアリーナを回ったり、リフトで高く上がったり、客席に少しでも近づこうという心のこもった演出でファンは熱狂させる。『Talk about your love』『365』『Shining Star』をはじめ、パラソルを使った楽しいダンスを披露する『Falling in Love』など軽快なポップスを披露。『10 out of 10』、『Hands up』 などのライブでおなじみの盛り上げ曲で、ステージと会場を一体にすると、この日3回目のMCに突入した。
バク転を決めたテギョンは、息を切らしながら、「2回やりましたね。練習生のころをちょっと思い起こしました」と苦笑い。また、ウヨンが作った衣装が暑いと不平をもらすメンバーに「最後までジャケットを脱がないで」と頼んだというウヨン。チャンソンは、今回の公演のセットリストについて「メンバー同士で長い時間かけて作られた」と明かした。
日本での活動期間5年間で、シングル11枚、アルバム5枚をリリースした2PM。韓国で発表したヒットナンバーと日本オリジナル曲で構成されたセットリストは、チャンソンのコメントどおり、2PMファン感涙の30曲だったと言えるだろう。そして、本編を締めくくるラスト曲は2011年5月18日にリリースした日本デビュー曲『Take off』。メンバーとともに、腕を斜めに上げる振付けを踊りながら、彼らの出発点を振り返るファンたち。この瞬間を楽しもうという雰囲気が会場をひとつにする。
アンコールでメインステージに登場したメンバーを待っていたのは、メンバーカラー6色がきらめく会場。ファンからのサプライズプレゼントを噛みしめるようにバラード『離れていても』を熱唱する。拍手と歓声で熱気を帯びる会場。すると、『一緒に過ごした時間』が流れるなか、大スクリーンに2PMの日本初上陸時から5年間の思い出の映像が流れ始める。観客の合唱が会場を包み込み、温かい時間が流れる。鳴り止まない「2PM」コールも。
「2PMとして日本での最後のライブでした」とテギョンのMCで、6人から最後の挨拶が始まる。
ウヨン「僕はいつもみなさんのビタミンになりたいんですよ。今回コンサートの準備をしながら、胸がドキドキでしたよ。東京ドームでコンサートができるということがマジで信じられなかったです。この瞬間を待ちながら、みなさんに会えることを楽しみに一生懸命準備をしました。今日のライブが、みなさんにとって満足してもらえるものだったら、僕も満足です。僕ら2PMとみなさん間に“最後”という単語はないですよ。死ぬまで行きましょう! いつも39~(サンキュー)!!」
ニックン「100回目の公演でしたね。僕たち2PMが、いつの間にこんなにたくさんライブしたのかって思うくらい、本当に早く時間が過ぎたと思います。映像を見ながら、本当にたくさんの思い出が浮かんできます。約5年間、本当に幸せでした。全部みなさんのおかげです。メンバーたちがしばらく旅へ出ますが、戻ってくるときまで、みなさんが寂しがらないように、幸せに、一生懸命に活動するつもりです。5人が全員戻ってきたら、完全体2PMとしてみなさんに会えると思います。みなさんと同じく、僕もそのときを待ちます。みなさん、僕と一緒に2PMを応援しましょう。2PMファイティン! 2PM Forever!」
テギョン「アリーナツアー『GALAXY OF 2PM』の最後のライブで、ちょっと泣き過ぎてしまったので、決めました。東京ドームの最後日、泣きません、と。だから、今日は泣きません! 僕は笑顔で最後の挨拶をしたいです。この笑顔を覚えていてください。そして僕が6人と一緒に戻ったとき、この笑顔で戻ります。約束です! ちょっと寂しい時間があると思いますが、待っててください。みなさんも泣かないで、笑顔で挨拶をしてください。アンニョン♪」
Jun.K「2PMの100回目の公演、そして東京ドームでたくさんのみなさんの前でライブができて本当に夢のようです。この夢から覚めたくない。本当にありがとうございます。今日、この会場にメンバー6人の両親、家族も来てくれています。僕たち6人を生んで育ててくださって、本当に感謝しています。本当に6人、いい友達ですね。僕が、誰かに、『20代の人生の中で、いちばん大きなプレゼントは何ですか?』と聞かれたら、『うちの2PM』だと答えられます。僕が音楽をする理由、ステージに立つ理由、2PMが永遠に存在できる理由、その理由を作ってくださるみなさんに心から感謝します。本当に、早く、2PM戻ってきます」
ジュノ「コンサートのイントロの映像からアンコール前の映像、サプライズの映像まで全部見て、僕たち2PMがどうやってここまで来たのか、もう1回振り返ることができてうれしかったです。僕たち2PMは、みなさんに会えてよかったです。僕たちが夢見ていたことをみなさんが全部かなえてくれました。歌手としてたくさん場所でコンサートすること、本当に大事な願いです。6人そろってこの高い場所へ一緒に来られたのも本当によかった。僕たちは一生懸命走ってきたんですけど、僕たちの情熱だけでここまで来られたと思わないです。そんな僕たちをいつも見守ってくださったみなさんのおかげです。これからも、もっと頑張って走っていくので、みなさん、応援よろしくお願いします!」
最後のアンコール曲『Mayday』『Ultra Lover』を歌い上げた6人は、メイン、センター、サブステージとそれぞれに散らばり、客席に挨拶に向かう。テギョンがプラカードの字を読み、誕生日の人を見つけると、「ハッピーバースデー」とお祝いの言葉を贈るのも恒例の光景。いつまでも観客に手を振り、頭を深々と下げるJun.K、また、ジュノとウヨン、そしてチャンソンが並んで座り、会場を眺める姿が印象的だった。
そして、メンバーがメインステージに戻り、これで終わりと思ったら、「言葉はいらないです。歌で示します」とJun.K。『I’ll be back』のオープニングが流れる。日本語で歌われるこの歌は、6人からファンへの最後のメッセージ。2010年にリリースした同曲は、『Heartbeat』とともに音楽チャートのトップを獲得し、アジアで2PMの人気を不動のものにした出世作だ。
「I’ll be back」と指を突き上げ、会場は暗転。4時間完全燃焼の2PMのラスト公演は、キラキラときらめくレインボーカラーに包まれ幕を閉じた。