7月3日午前11時から御所で、明治天皇の業績についてのご進講があり、天皇陛下と美智子さまが聴講された。雅子さまも、その場に同席されたのだ。当日はご進講の後、両陛下と皇太子ご夫妻、そして皇居に野鳥観察に来ていた黒田清子さんの5人で、昼食を召し上がる予定だったという。だが皇太子ご夫妻は、ご進講終了後に、東宮御所に帰られた。

「雅子さまのご体調がすぐれなかったからだと伺っています」(宮内庁関係者)

そして、昼食会のキャンセルから1週間後の7月10日、雅子さまのご病状にも言及されたインタビューが『文藝春秋』8月号に掲載された。

《両陛下も、雅子妃殿下のご病気に対して言葉に表せないほどのご心労がおありになるようなんです》

そう語っているのは、6月1日付で退任したばかりの前皇室医務主管・金澤一郎氏。このインタビューで金澤氏は、現在の雅子さまの治療方針を問題視している。金澤氏の不満は、1つは雅子さまのご病状がきちんと国民に説明されていないこと。そしてもう1つは、雅子さまの適応障害の治療にあたっている、精神科医の大野裕医師が、皇室の医療の責任者ともいえる金澤氏にも、雅子さまの治療情報を報告していなかったことのようだ。

大野医師の主治医就任は‘04年6月。それから雅子さまのご病気の性質もあり、金澤氏には情報がほとんど入ってこなくなったという。7年にも及ぶ情報遮断もあり、天皇家の主治医でありながら、金澤氏は雅子さまへも批判的になっていった。

金澤氏は、マスコミによく登場する、ある皇室コメンテーターに、こう言ったという。「雅子妃に関しては、もっと厳しい意見を言ってください!」とても、天皇ご一家を守る立場にいる人物とは思えない発言だ。

『文藝春秋』の記事では、「(雅子さまの)ご病状の深刻さはかえって深まっている印象を受けます」というインタビュアーの問いに対して、金澤氏は、あっさり「そうですね」と肯定し、さらに、「(ご病状に関して)今後の見通しが明らかになっていないことが、天皇陛下のご心労になっている」とさえ語っている。

皇室ジャーナリストの松崎敏弥さんは嘆息する。
「皇室の医療を統括していた金澤氏が、雅子さまの治療体制の深刻な現状を暴露してしまった形ですね。雅子さまのこうした現状に、“もう手立てなし”とは、皇室の医療のトップにいた人物にしては、あまりにも非情で無責任すぎると思います」

光差さぬ状況のなかで、雅子さまはご病気との孤独な闘いを続けられている――。

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