「(天皇が)韓国を訪問したいなら、独立運動をして亡くなった方たちを訪ねて、心から謝罪すればいい」
8月14日、韓国の李明博大統領が発したこの暴言により、日本国民の反韓国感情は一気に高まり、その余波は1カ月たったいまでも両国で続いている。日韓関係が冷え込むなか、そのことをいちばん憂慮されていたのが天皇陛下と美智子さまだった。
9月4日、両陛下は御所で、外務省の鶴岡公二総合外交政策局長からご進講を受けられた。局長からのご進講は両陛下が定期的に受けられているものだが、このご進講についてある外務省職員は次のように明かす。
「テーマは中国との尖閣諸島問題、韓国との竹島問題などについてでした。局長は、日本政府の対応についてご説明し、両陛下からもいろいろご質問があったそうです」
そのなかで鶴岡局長を驚かせたのは、天皇陛下の「いつ私たちが、かの地を訪れることができるようになればよいのですが。これからも日本と韓国が友好な関係を保てるよう願っています……」といったお言葉だったという。前出の外務省職員は続ける。
「天皇皇后両陛下は、かねて”日韓の友好のためなら”と、韓国ご訪問の希望を持たれていました。しかし外務省としては、現状の日韓関係で両陛下の訪韓が実現するという想定はしていませんでした。さらに先日の李大統領の発言もあり、省内には”訪韓は10年どころか100年は遠のいた”という職員もいます。それにもかかわらず、ほかならぬ陛下が訪韓を諦めてはいらっしゃらなかったのです。あくまでも国際平和を願われる陛下のお気持ちに心を打たれました……」
陛下と韓国問題についてお話しした、ある国会議員がこう打ち明ける。
「陛下は”政府が望むなら、もちろん訪韓したい”とおっしゃっていました。さらに”私は両国の友好のためなら現地で謝罪を述べることも、やぶさかではない”とまでおっしゃられていたのです」
“ご自身への反感を露わにする韓国での謝罪も辞さず”、陛下はそんな悲壮な覚悟も決めていらした。両陛下の願いとはうらはらに、はるかに遠い国になってしまった韓国。天皇陛下と美智子さまの日韓友好を願う魂の叫びを韓国国民には知ってもらいたい。