「衝撃的だったのは、大手紙が相次いで、外務省の河相周夫事務次官が“宮内庁の川島裕侍従長の後任候補となる”と報じたことでした。これは、宮内庁幹部たちにも、両陛下にも寝耳に水のことでした」
そう語るのは、ある宮内庁担当記者。
天皇皇后陛下のお世話やご公務のお手伝いをするのが侍従や女官であり、そのトップが侍従長だ。
「両陛下の“最側近”であり、仕事は両陛下の公私にわたりますから膨大です」(皇室ジャーナリスト・松崎敏弥さん)
現在の侍従長は、川島裕氏。外務事務次官経験者で退任後の03年に宮内庁に入庁し、07年から侍従長を務めている。
前出の宮内庁担当記者が続ける。
「今回の“河相氏を侍従長に”という人事については、政府が決めたことで、宮内庁は蚊帳の外でした」
この新侍従長就任人事は、現侍従長の退任も意味する。
「事前の打診もない状態での突然の侍従長人事報道に、天皇陛下と美智子さまも愕然とされたそうです」
川島侍従長の人となりについて、ある宮内庁関係者が明かす。
「川島さんは豪胆な人柄で知られています。 侍従長になってからは激務の日々でしたが、特に2年前の東日本大震災発生後の働きぶりが、両陛下からのご信頼をさらに高めたのです。
両陛下は震災直後、7週連続で避難所や被災地お見舞いを敢行されました。余震も続いていましたし、両陛下のご体調の件もあり、周囲でも反対の声が多く上がっていました。
しかし川島さんは、両陛下の被災者を心配する思いが非常に強いことを、おそばで感じていたので、反対の声をおさえて、お見舞いの実現に尽力したのです。
さらに昨年2月に陛下は心臓バイパス手術に臨まれましたが、この“史上初めての事態”にも川島さんは冷静に対処し続けたのです」
関連カテゴリー: