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「日本とフランス、両国の建設的な未来を願われた、素晴らしいスピーチでした」

 

作家の辻仁成さんが感嘆したと話すのは、目の前で聞いた皇太子さまのスピーチのことだ。

 

皇太子さまは日仏友好160年を記念するイベント「ジャポニズム2018」にご出席のため、9月7日から15日までフランスを公式訪問された。12日夜にはパリ近郊のベルサイユ宮殿でマクロン大統領夫妻主催の晩餐会に出席されている。パリ在住でフランスの文学賞「フェミナ賞」を受賞している辻さんもこの晩餐会の招待状を受け取っていた。

 

「皇太子さまはまず日本語で、イギリス留学中にフランスを旅行されたことなど、ご自身のフランスの思い出を話されました。僕の隣にいた世界的パティシエのピエール・エルメも皇太子さまの言葉に感銘を受けた様子で、席に配られていたスピーチ原稿をじっと読んでいました」

 

皇太子さまにとって初となったフランスへの公式訪問。スピーチでは、そのご感想を次のように述べられた。

 

「長い歴史の中で両国民が、まさに絹を紡ぐようにして織りなしてきた強固な友好関係を実感しています」

 

「両国民の絆がますます深まることを期待しております」

 

皇太子さまは約10分間のスピーチの後半3分ほど、マクロン大統領へのメッセージをフランス語で話されたという。

 

「とても流暢でいらっしゃると同時に、いまだにフランス語に堪能とは言えない僕にもわかりやすく表現を噛み砕かれた内容で、皇太子さまのお考えが率直に伝わってきました」(辻さん)

 

実は前日の11日にも、皇太子さまはパリ市内で国民議会副議長主催の昼食会に出席されて、8分間に及ぶ全文フランス語のスピーチに臨まれていた。皇太子さまがフランス語で挨拶されるのは非常に珍しいこと。宮内庁によると、これらのスピーチのために日本では何日間もフランス語の練習を重ねられたという。

 

「雅子さまはお妃教育で語学の授業が免除されたほど、英語と並びフランス語もたいへん堪能です。大学2年のときにはフランスの南東部の都市グルノーブルにホームステイもされています。今回、雅子さまご自身は渡仏を断念されましたが、フランス語の表現や発音などをアドバイスされ、皇太子さまのスピーチを“猛特訓”されたそうです」(皇室ジャーナリスト)

 

ベルサイユ宮殿を沸かせた皇太子さまのスピーチには、雅子さまの“愛のサポート”があったのだ。

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