4月18日、天皇皇后両陛下が伊勢神宮を訪れ、ご退位に向けた儀式「親謁の儀」に臨まれた。
親謁の儀を終えられた両陛下は18日の夜、志摩観光ホテル・ザ・クラシックにご宿泊。両陛下は清子さんや伊勢神宮の関係者をお招きになり、夕食をともにされた。
「今年の4月18日は、清子さんの50歳の誕生日でした。そして60年前の4月18日は、ご成婚8日目の両陛下が伊勢神宮に結婚のご報告をされた日。そんな由縁のある日、夕食後も清子さんはホテルに残って、両陛下と一緒に泊まったそうです。親子ご一緒に旅先でお泊りになるのは、御用邸や軽井沢でのご静養に清子さんが合流することを除けば、清子さんが結婚してから初めてのこと。14年前の’05年8月に長野県・山梨県を訪れて以来です。退位を前に久しぶりに娘と一夜をともにされて、両陛下にとっても感慨深かったことでしょう」(宮内庁関係者)
また伊勢神宮は41年前の’78年11月、美智子さまと当時9歳の清子さんが2人旅で訪れた思い出の場所でもある。
「そのときは老舗の旅館にお泊りになりました。8畳の和室にお布団を2つ並べてお休みになったそうです。東宮御所には和室がなく、普段はベッドで眠っていた清子さんは興味津々だったそうです」(前出・宮内庁関係者)
旅館では、伊勢神宮ご参拝のリハーサルも行われた。仲居さんたちを下がらせて、お座敷でお辞儀の作法などを、美智子さまがマンツーマンで細かくお教えになったという。皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんが当時を懐かしむ。
「美智子さまは、清子さんが学習院の初等科に進学してから、皇室に縁のある神社や陵墓などをめぐる“母娘旅”を10年間にわたって続けられました。それは皇族としての教育であると同時に、いつの日か皇族の身分を離れる清子さんとの思い出作りだったのではないでしょうか」
清子さんが幼いころから、いずれ皇室を離れることを覚悟されていた美智子さまは、そうして母娘の時間を大切にされ、宮中の外の世界についてお教えになっていた。そして、美智子さまの愛情に包まれて育った清子さんは、’92年、学習院大学を卒業するにあたっての記者会見でこう述べた。
《たくさんの公務をお果たしになりながら、いつも温かく見守って育ててくださいました皇后さまが、やはり理想の、理想という言葉は少しきついかもしれませんけれど、そのような女性になれたらと思います》
親子水入らずで過ごされた伊勢の夜、美智子さまが清子さんと語り合ったのは「追憶と労い」、そして「令和の願い」……。
「陛下が退位されると、皇后としてのお務めを終えられる美智子さまも今までより余裕のある生活をお送りになられるでしょう。これまではお控えになってきた“母娘旅行”も、きっとまた実現するはずです。その日を待ちわびていると、美智子さまもお伝えになったことでしょう」(渡邉さん)
また、母娘一緒に――。美智子さまが訴えられた「願い」に、清子さんも笑顔で頷かれたはずだ。