「おすべらかし」に結った髪に金色のかんざしを挿し、古式ゆかしい装束を身にまとわれて、皇居・宮中三殿の回廊をゆっくりと歩まれるお姿は、歴史の世界から抜け出たような優雅なものだった。
5月8日、雅子さまは、天皇陛下に続いて宮中祭祀に臨まれた。宮内庁関係者は感慨深げだ。
「慣れない装束のため、歩を進めるときに多少お体が揺れていましたが、そのほかの拝礼の所作は完璧なものでした。お帰りの車でも笑顔を見せられました。ご自身も思い描かれていた理想に近いご参拝だったのではないでしょうか」
翌日の9日、雅子さまは陛下お一人の予定だった中国大使とのご面会に、“サプライズ同伴”されて30分近く懇談された。
「雅子さまがご一緒だったからでしょうか、陛下は明るいご表情で、大使をねぎらわれていました。雅子さまも前日のお疲れなどお見せになることもなく、自然な笑顔で歓談されていました」(前出・宮内庁関係者)
上皇陛下が退位された4月30日から、皇室は御代替わりの多忙を極める激動の10日間に直面した。雅子さまは30日の祭祀こそ欠席されたのだが、陛下が即位された5月1日以降の行事には“フル出席”されたのだ。
雅子さまのご実家である小和田家は、報道各社の取材に答えることはなかったが、実は雅子さまの晴れ舞台を静かに見守っていたという。小和田家の知人が明かす。
「ご即位当日は雅子さまの両親である小和田恒さん・優美子さん夫妻、妹の礼子さんと節子さんも皇居を訪れ、儀式に出席しました。ニューヨーク在住の礼子さんは、この日に合わせ帰国したようです。雅子さまと直接言葉を交わす場面はなかったようですが、久しぶりの“ご対面”となり、元気なお姿にご家族も安心したそうです」
雅子さまもそばに家族がいるというだけで、心強く感じられたことだろう。皇室担当記者が言う。
「雅子さまは適応障害と診断された直後、軽井沢にある小和田家の別荘で静養されたことがありました。その後も雅子さまにとって母や妹が療養の支えとなる一方、『ご実家との距離が近すぎる』といった批判もあったのです。しかしそれは、陛下とご実家の家族以外に頼れる方がいない状況ゆえのことでした。雅子さまは今、あのころのようなサポートがなくても問題なく皇后の役目を果たされるほどに、ご家族も驚く劇的なご回復ぶりをお見せになっています」