5月1日、「即位後朝見の儀」に臨まれた陛下は、天皇として最初のお言葉を述べられた。
《常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓います》
そのとき、お言葉の書かれた紙を持つお手元が、映像で見てもわかるほど小刻みに震えていた。
「59歳にして天皇となられる重みを、お感じになったのでしょう。お小さいころから帝王教育を受けてこられた陛下でも、想像をはるかに超えるプレッシャーがおありだったのかもしれません」(宮内庁関係者)
その3日後、5月4日には令和初の一般参賀が皇居で行われた。参賀者の列は東京駅まで伸び、14万1千人が即位を祝福した。長和殿ベランダでの陛下は、傍らの雅子さまとにこやかに声を掛け合われ、高円宮妃久子さまや寛仁親王妃信子さまとも和やかにコミュニケーションをとられていた。朝見の儀とは一変して、とてもリラックスしたご様子だったのだ。陛下が心に余裕を持って一般参賀に臨まれたのは、雅子さまからの助言があったのではないかと話すのは皇室担当記者だ。
「陛下は、天皇になるためのご努力を欠かすことはありませんでした。ご成婚後の26年間、そのお姿を最も近くで見つめ続けてきたのは、雅子さまです。ずっと研鑽を積まれてきたのですから、ご心配はいりません――。雅子さまは、そういったお言葉をかけられたかもしれません」
それはまさに、緊張されていた陛下のお心をほぐした“親愛の助言”と言えるだろう。
この日は、陛下が参賀者にお気遣いを見せる場面もあった。東京の最高気温は24.8度まで上がり、5月としてはかなり汗ばむ気候となっていた。
すると5回目のお出ましから、陛下のお言葉の中に《暑い中、来ていただいたことに感謝いたします》という一文が加えられたのだ。
そして、最後となる6回目のお出ましは午後3時からの予定だったのだが、急きょ10分間早められた。直前には雷鳴が轟いており、雲も厚くなってきていたのだ。
「集まった参賀者の体調、安全を第一に気遣ったご対応でした。こうしたお気遣いも、両陛下がお二人でご相談されたことかもしれません」(前出・皇室担当記者)