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国民的議題である皇位継承問題。愛子さまも昨年12月に18歳になられ、女性天皇の是非などについて国会での早急な議論が求められている。

 

しかし、昨年11月の世論調査では、半数以上が女性天皇と女系天皇の違いを「理解していない」と回答(産経・FNN合同世論調査)。なかなか基本的な知識が広まっていない。そこで、皇室に関する近現代史を専門とする歴史学者・小田部雄次さん(静岡福祉大学名誉教授)に解説してもらった。

 

【Q】女性天皇はこれまで歴史上にいたのでしょうか?

 

女性天皇は歴史上8人存在しました。これは大正15年制定の「皇統譜」に記されており、宮内庁の公式な見解です。とくに功績に優れていたのは、飛鳥時代の推古天皇と持統天皇でしょう。

 

聖徳太子は推古天皇の皇太子として活躍しましたが、十七条憲法、遣隋使派遣、法隆寺建立といった太子の実績の背景には、推古天皇の存在と支援があったのです。

 

持統天皇は、藤原京への遷都を実行。父の天智天皇、夫の天武天皇とともに、律令国家を形成するにあたり、キーパーソンとなりました。

 

また、2度も皇位についた女性天皇として、皇極天皇(のちに斉明天皇)と孝謙天皇(のちに称徳天皇)がいます。当時の政治状況において重要な存在であったともいえます。

 

最後の女性天皇は、江戸時代の後桜町天皇で、1762~71年に在位していました。それから約250年、女性天皇は誕生していません。

 

【Q】女性天皇と女系天皇の違いは何でしょうか?

 

父親が天皇の血を引いている女性の天皇を「女性天皇」と称します。前述のように、女性天皇は歴史上も存在したので、これを認めることは、まったく伝統に反しません。

 

母親は天皇の血を引いているが、父親は天皇の血を引いていない天皇を、男女を問わず「女系天皇」と称します。女系天皇は、これまでに前例がないとされています。

 

ただ、第43代の元明天皇と第44代の元正天皇はいずれも女性で、母娘です。元正天皇の父も、その父が天皇だったので、元正天皇は一応男系ではありますが、母から娘へという女系による継承でもあったのです。

 

なお、現在の皇室典範(皇室に関する法律)では、女性皇族は結婚により皇室を離れることになっています。このため女性皇族が結婚後も皇室にとどまれるようにする「女性宮家」の創設も検討されています。

 

「女性自身」2020年2月11日号 掲載

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