《現在、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されていますが、罹患した方々と御家族にお見舞いを申し上げます。それとともに、罹患した方々の治療や感染の拡大の防止に尽力されている方々の御労苦に深く思いを致します。感染の拡大ができるだけ早期に収まることを願っております》
2月23日に60歳の誕生日を迎えられた天皇陛下。会見のなかでは、新型コロナウイルスの感染拡大について憂慮されるお言葉もあった。
天皇誕生日の当日に予定されていた一般参賀は、市民の感染拡大を防ぐために中止となった。一方で天皇陛下や雅子さまは日々、各国の大使や日本の要人、さらには勤労奉仕団の市民にもお会いになる。その際、原則としてマスクは着用されない。ご公務では大勢の方にお会いになるだけに、皇族方が感染する危険性も心配されるが、宮内庁の感染予防態勢はどうなっているのだろうか?
「幹部の一人は、両陛下にうつすことになったら大変なので“うがい・手洗い”をいつも以上に念入りにしていると話していました。しかし現状では、個々の職員の対応に任せられています」(前出・宮内庁関係者)
この状況でも組織的な対策はしていないというのだ。一方で、宮内庁では過去に何度も職員が感染症に罹患している。
「’00年から’07年にかけて、のべ4人が結核に感染しました。また’10年には上皇陛下がノロウイルスに感染されて、激しい腹痛や下痢の症状に襲われましたが、感染経路はわかりませんでした。’11年にはマイコプラズマにも感染されています」(前出・皇室担当記者)
また、仮に皇族方が感染されたとしても、原則として特別扱いされることはないのだという。
「’09年には新型インフルエンザが流行しましたが、ワクチンの生産が追いつかないなかで、皇族方の接種は皆さまのご意向もあり一般国民と同様の対応となりました。当時、上皇陛下は前立腺がんの治療としてホルモン薬を投与されていたので、厚生労働省が定める優先接種対象者としてワクチンの接種をお受けになっています。しかし、美智子さまはワクチン不足が解消するまで、接種をお受けになることはありませんでした。特別扱いを避けられるのも“国民に寄り添う皇室”の姿勢なのです」(皇室ジャーナリスト)
上皇ご夫妻は、皇居・吹上仙洞御所から高輪皇族邸へ3月末までにお引っ越しされる予定となっている。
「’93年に赤坂御所から吹上御苑に移り住まれたときは、2トントラックのべ約100台分の大規模なお引っ越しでした。今回も大勢の業者が出入りすることになるでしょう。もしその中に感染者がいたら、ウイルスをまき散らすようなものです。延期されるのが妥当な判断ではないでしょうか」(前出・皇室担当記者)
また4月には、秋篠宮さまが皇嗣殿下となり、皇位継承順位1位となられたことを国内外に示す「立皇嗣の礼」が待っている。
「19日に行われる中心儀式『立皇嗣宣明の儀』には、三権の長や駐日大使など約350人が列席します。そして21日には2回にわたって『宮中饗宴の儀』が催されて、諸外国の王族や要人など現時点で約750人の招待客が見込まれています。このまま感染が拡大すれば、開催延期や招待の取りやめなども検討せざるをえません」(前出・宮内庁関係者)
日本を襲うコロナショック。皇室といえどもその激震にさらされているのだ――。
「女性自身」2020年3月10日号 掲載