さらにコロナ禍により、天皇陛下や皇族方が国民の前にお出ましになる機会は激減してしまった。

 

「オンラインの活用も始まりましたが、皇族方が地方に足を運び直接国民と触れ合うことができなくなったのは、大きな痛手です。未曽有の災厄のなかで存在感を発揮できないのであれば、国民から『皇室などなくてもいい』という声が大きくなり、皇室の存続にもかかわる――。美智子さまは、危機感を感じていらっしゃることでしょう」(前出・宮内庁関係者)

 

上皇ご夫妻が見学された明治神宮ミュージアムの展覧会では、修復が進められている昭憲皇太后の「大礼服」が展示されていた。

 

「昭憲皇太后は明治天皇を支えるとともに、養蚕の奨励、女子教育の育成、福祉や医療の推進などに尽力しました。昭憲皇太后に思いを馳せ、美智子さまは皇室の使命を再確認されたのではないでしょうか」(前出・皇室担当記者)

 

表舞台から一線を退かれた身でありながら、美智子さまがお出ましになられたことについて、前出の渡辺みどりさんはこう語る。

 

「コロナ禍で皇室と国民との接点が少なくなっている今、国民に伝わる形で今回のご参拝が行われたことに大きな意味があります。美智子さまの格別のお考えがあってのことと思えてなりません。また平成の時代、美智子さまは皇室内の融和にも努めていらっしゃいました。当時の天皇陛下と皇太子さま、秋篠宮さまのお三方が毎月1回、定期的に会って話す『三者会談』が行われていましたが、これは美智子さまのご発案であったとされています」

 

令和に入り、皇室内の連携が取れているとは言い難い。

 

「三者会談はもちろん、最近では天皇家と秋篠宮家の交流もほとんどないそうです。眞子さまの結婚延期についても、秋篠宮家から両陛下に経過報告はされていないようですし、天皇皇后両陛下も宮家の結婚問題に口を挟まれることは遠慮されてきたようです。そういった現状を改め、皇室の危機に、両家が協力して立ち向かうべきではないか――。

 

体調不安をおしてお出ましになることで、美智子さまはそうお伝えになりたかったのでしょう。実は、当初の発表では雅子さまは参拝される予定ではありませんでした。それでもお出ましになったのは、雅子さまが美智子さまのお気持ちに応えようとされたからでしょう」(前出・皇室担当記者)

 

「女性自身」2020年11月17日号 掲載

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