■ご自分のことよりも“国民のため”を優先
宮内庁関係者はこう語る。
「ご成年を迎えた皇族が伊勢神宮で奉告されるのは、皇室のならわしとなっています。昨年12月に成年皇族となられた愛子さまが、いつ三重県を訪問されるのか、この1年間注目されていました。しかし最近、両陛下の側近が、愛子さまが20歳のうちには参拝されないことを明らかにしたのです」
側近は延期の理由について、同じく内親王だった黒田清子さんも20歳のときに参拝しなかったからと説明したという。
「しかし黒田清子さんが成人したのは昭和天皇崩御から3カ月後。喪に服していたために、参拝を自粛したとみるほうが自然です。やはり愛子さまのご参拝が延びているのは、コロナ禍のためではないでしょうか」
愛子さまは学習院大学の3年生だが、両陛下への感染を防ぐために、いまも通学を自粛されている。
「愛子さまは常にご自分のことよりも、“天皇皇后両陛下のため”“国民のため”“皇室のため”を優先されています。11月5日には、皇居内で秋季雅楽演奏会を鑑賞されましたが、学習院では学園祭が開催されていました。つまり学校行事よりも宮中行事を優先されたのです。
ティアラも黒田さんのものをお借りしており、来年度中も制作の予定はありません。理由については、“コロナ禍で苦しむ国民がいるなかで、両陛下のお気持ちを考慮されている”と、説明されています。
伊勢神宮に参拝されることで、ご自身の感染のリスクが高まるだけではなく、地元の人々が大勢奉迎に集まってくることも心配されているのでしょう。『国民の健康と命を守らねば』と、お考えなのだと思います」
天皇陛下のおそばでずっと“国民に生涯を捧げる”というご姿勢を学ばれている愛子さま。
「今後も制度に変更がなく天皇に即位されなくても、いわば“無冠の女帝”として、皇室を支え続けるというお覚悟が伝わってきます……」
名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんもこう語る。
「愛子さまのご姿勢は、ウィズコロナという考えが浸透しているなかで、若い世代には珍しいほど慎重ですが、それだけ両陛下や皇室を大切に考えられているからだと思います。
また愛子さまは天皇陛下からお考えを直接伺えるお立場にあり、皇族としてのご自覚が非常に強いのも、それゆえでしょう。たとえ女性天皇にはならなくても、将来は“皇室のリーダー”的存在として活躍される可能性はあるかと思います」
まだご自身のティアラはお持ちでない愛子さま。しかし、“私より公”を貫くお気持ちは、あまたの宝石よりも輝いているーー。