「11月以降、愛子さまのお出かけが増えています。なかでも特に注目されているのは連日で天皇陛下とお忍びで外出されたことです」
そう語るのは皇室担当記者。
12月3日、天皇陛下と愛子さまは東京都豊島区にある学習院大学内の資料館をご訪問。’16年に100歳で薨去された三笠宮崇仁(たかひと)さまの生涯を振り返る展示をご覧に。
さらに翌4日には、世田谷区の五島美術館で歌人・西行にまつわる国宝や重要文化財に指定された書などをお二人で鑑賞された。
「愛子さまは学習院大学で日本の古典文学を学ばれており、当初は愛子さまお一人で五島美術館の特別展を鑑賞される予定でしたが、陛下も同行されることになり、2時間20分ほど父娘で滞在されたそうです」(前出・皇室担当記者)
この連日の父娘お忍び外出について、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは次のように語る。
「昭和天皇の弟宮である三笠宮崇仁さまは戦前・戦後に活躍された皇族で、広く国民に接していらした方です。愛子さまにとっては曽祖叔父(そうそしゅくふ)にあたり、その方が抱いていた思想、お人柄をお知りになるのは有意義な機会と天皇陛下もお考えになったのでしょう。
先の見えない時代に皇室はどうあるべきか、非常に難しい問題ですが、過去の皇族の生涯から学べることも多いはずです」
また神道学者で皇室研究者の高森明勅さんも、
「崇仁殿下は従軍された経験を踏まえ、生涯にわたって平和を追求されたリベラルな皇族として知られています。戦後、殿下は新しい時代に即した皇族像を追求され、大胆に実践されていました。形にとらわれずに、時代や国民に向き合う姿勢を敬宮(としのみや)殿下にも学んでほしいというのが天皇陛下のお考えなのでしょう。
学習院大学の翌日には五島美術館も訪問されていますが、実はこうした私的なお出かけこそ注視すべきだと考えています。国民が役所などが介在しない天皇陛下の大御心(おおみこころ)、本心や本音を伺うのに重要な機会になるからです。
今回のお忍び外出から強く伝わってくるのは、天皇陛下が敬宮殿下に皇族として大きな期待をかけられているということです。敬宮殿下も、天皇陛下が学ばれてきたことを受け継がれたうえで、次の世代の皇室像を考えていかれるでしょう」