天皇陛下撮影の「月食写真」を1カ月半後に公開…話題の皇室SNS実現に必要な2つの意識改革
画像を見る 1月13日、講書始の儀が開催(写真:時事通信)

 

■アカウントひとつ決めるのも簡単ではない

 

では雅子さまは、具体的にどのようなメッセージを伝えたいとお考えなのだろうか? 宮内庁関係者によれば、

 

「長年、雅子さまが強い関心を持たれ、研究を続けられているのは、“南北格差”、つまり先進国と発展途上国の間の経済格差の問題と、世界中の恵まれない子供たちへの支援についてです。

 

現在は雅子さまがメッセージを発信される機会は非常に少なく、1年に1度の『お誕生日に際してのご感想』ぐらいですが、昨年12月のご感想でも《世界各地での戦争や紛争により、子どもを含む多くの人の命が失われていることに深い悲しみを覚えます》と、つづられていたのです。

 

情報を発信する機会が増え、世界中の子供たちへのお気持ちをさらに表明することができるようになることは、雅子さまにとって“悲願”ともいえるでしょう。雅子さまは英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語と5カ国語にご堪能です。日本語も含め、6つの言語でお気持ちを公表すれば、全世界にお伝えすることができます」

 

元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんも、SNSの活用は雅子さまのお心に沿うものだと考えているという。

 

「皇后陛下は以前から困難な状況にいる子供たちに強い関心をお持ちです。たとえば、そういった関係のお出ましの機会に投稿されれば、その子供たちに対する国民の理解と関心も深くなるでしょう。

 

さらに写真や文章だけではなく、音声を含めた動画でのメッセージを発信されるようになれば、皇后陛下のお人柄も国民はいっそう深く知ることができるようになります」

 

令和皇室の支持も上昇させ、雅子さまのメッセージの世界発信も可能にする皇室SNS開設。一日でも早い実現を雅子さまも願われているのだろうが、懸念されるハードルも多いという。

 

前出の山下さんによれば、

 

「私は平成9年から官房秘書課で行政情報化の担当として宮内庁のHP開設にも関わってきました。宮内庁のドメイン名は、『kunaicho』(.go.jp)ですが、『kunaichou』や、英語表記(Imperial Household Agency)の3文字略語『iha』がいいという意見もありました。SNSのアカウントひとつとっても様々な意見を調整した上で長官までの了解を得る必要があり、検討すべき課題が山積みなのです」

 

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