■「世界の子供のため」、雅子さまが毎年表明される願い
天皇陛下と雅子さまは、トルコ・シリア大地震発生から3日後の9日に、お見舞いの気持ちを伝える電報をエルドアン大統領に送られたが、ご会見での語らいも思い浮かべていらしたに違いない。
また雅子さまは長年、世界の恵まれない子供たちを救いたいというお気持ちを示し続けてこられた。たとえば、毎年お誕生日に発表されるご感想では――。
「難しい境遇に置かれている子供たちには心を寄せていきたいと思っておりまして、これは国内でもそうでございますし、また、これは世界的に見てもそういう子供がたくさんおりますので……」(’02年12月)
「世界各地での戦争や紛争により、子どもを含む多くの人の命が失われていることに深い悲しみを覚えます」(’22年12月)
日本の国母となられた雅子さまだが、それだけにとどまらず“世界中の恵まれない子供たちの母でありたい”と、お考えになっていることが伝わってくる。
皇室ジャーナリストの久能靖さんはこう語る。
「雅子さまは皇室に入られる前から、児童養護施設の子供たちと交流されていました。皇太子妃・皇后といったお立場になられなくても、困難な立場にある人たちを思いやる気持ちを抱き続けていらしたに違いないと思います」
前出の皇室担当記者が続ける。
「雅子さまはご体調が悪かった’06年ごろから、国連大学での聴講を続けていらっしゃいました。そのなかで関心をお持ちだったテーマが難民問題や子供の貧困問題などでした。現在も続く内戦のために世界中で1千万人以上ものシリア難民が悲惨な状況に置かれており、雅子さまもシリアそしてトルコといった今回の被災地域の状況も注視してこられたのです。雅子さまはかの地の大震災で親を失った子供たちのことを特に心配されているようです」
あしなが育英会の’12年の発表によれば、死者・行方不明者合わせて1万8千人を超えた東日本大震災による震災遺児は2千人以上を数えたという。
「被災地ご訪問の際、雅子さまは各地で被災児にいたわりの言葉をかけられ、また震災遺児のための基金にも深い関心を寄せてこられました」(前出・皇室担当記者)
トルコ・シリア大地震では、いったいどれほどの子供たちが親を亡くしてしまったのか。
「天皇陛下は2月23日に63歳の誕生日をお迎えになります。事前に陛下は記者会見に臨まれますが、トルコ・シリア大地震の惨状を鑑みて、雅子さまといっしょに現地で苦しむ人々へのお心を込めたメッセージを編まれたことでしょう」
“トルコ・シリアの震災遺児の母に……”、そのような覚悟を秘めた緊急メッセージが“子供たちの絶望的な状況”を照らす希望の光となることを祈りたい――。