『男おいどん』や、『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』など有名SF作品を生み出した松本零士さん(享年85)が、急性心不全のため亡くなったのは2月13日のこと。少年時代を過ごした北九州市で『銀河鉄道999』のキャラクターが描かれたモノレールを増便するなど、各地で追悼の動きが広がっている。
松本さんといえば、長年「少年の主張全国大会」の審査委員長を務めてきた。この大会は、全国の参加者から選び抜かれた12名の中学生が、日頃抱いている思いや考えを発表するイベント。主催する国立青少年教育振興機構で理事長を務めていた、國學院大学人間開発学部教授の鈴木みゆきさんはこう話す。
「松本先生は、国立青少年教育振興機構の活動のひとつである『体験の風をおこそう』運動の趣意に賛同され、イメージイラストなどを寄せてくださっていました。そのご縁で、『少年の主張全国大会』の審査員や審査委員長を務めていただいていたのです。
またこの大会は以前から、秋篠宮ご一家のみなさまにお越しいただいています。紀子さまや佳子さまのお隣に松本先生が座って、全国から参加した中学生の発表に耳を傾けてこられました」
佳子さまは2009年まで、紀子さまに連れられて同大会に出席されていたが、2014年11月の「第36回少年の主張全国大会」では、初の単独ご公務として同大会に出席された。成年皇族となる誕生日を翌月に控えられ、メディアの注目も多く集まっていた。
「あの日、佳子さまは“単独ご公務デビュー”ということもあってか、少し緊張されたご様子でした。会場に入られ、笑顔で『よろしくお願いします』とあいさつされた佳子さまを、松本さんがほほ笑ましく見守っていました。和やかな雰囲気に安心されたようで、佳子さまも参加者の中学生へ積極的に声をかけられ、懇談されていました」(皇室担当記者)
佳子さまは以後も同大会に出席されており、松本さんとお話しになる時間もあったようだ。前出の鈴木さんはこう振り返る。
「松本先生は、誰に対しても自然体で同じように接する方でした。宮さま方がお成りになるとあっては、大会関係者は一同緊張してお迎えします。しかし松本先生は、けっして礼を失することはないながらも、佳子さまに対していつもと変わらないご様子でお話しになっていたことが印象に残っています。松本先生のおかげでいつも場が和んでおりましたので、団体の関係者はみんな、松本先生にとても感謝しています」
2019年には、佳子さまは当時中学1年生だった悠仁さまと「少年の主張全国大会」に出席されている。
「初めて単独で臨んだご公務とあって、佳子さまにとっても思い入れが深いのでしょう。悠仁さまにも、この大会の意義を伝えたかったのかもしれません。佳子さまがそうお考えになっているのも、緊張を和らげてくれた松本さんへの感謝のお気持ちの表われであると思います」(前出・皇室担当記者)
佳子さまと松本さんとの“絆”は、これからも固く結ばれているーー。