■両陛下が地方ご静養を再開されるタイミングは?
精神科医の香山リカさんは次のように語る。
「雅子さまはこの20年近く、ご公務と並行して適応障害のご療養も続けていらっしゃいます。一般の方でも同じですが、環境に変化がなく、毎日同じことを繰り返すと精神が硬直し、体調にもよいとは言えません。
ご公務とご療養という日々にも、ちょっとしたお休みや変化は大切なのです。自然の中を散策して日常とは異なる景色を見る、好きなものを食べ、いつもと違う時間に寝起きする……。旅行が難しくても、日常生活にアクセントをつけ、気分を変えることも重要です」
1月23日には東京国立博物館、2月2日には静嘉堂文庫美術館と、天皇陛下は雅子さまをお連れになっておしのびでお出かけになっている。
両館では、雅子さまの干支でもある“うさぎ”をテーマにした特別展を開催中だったのだ。天皇陛下も“日常生活のアクセント”の重要性はお感じだったのだろう。
「それにもかかわらず、3年半もご静養を休止されているのは、陛下と雅子さまの強いご決意ゆえだと思います。
エリザベス女王は21歳で“生涯を国民にささげる”と宣言しましたが、お言葉にはなさらずとも天皇陛下と雅子さまも、“この命を国民にささげる”という覚悟を固められているのです。
もし天皇ご一家が地方にお出かけになるとすれば、多くの地元の人々がお出迎えに集まりますし、警察官も動員されます。“万に一つでもコロナ感染拡大の原因は作らず、国民を守り続ける”というお気持ちなのでしょう。
両陛下が地方でのご静養を再開されるのは、国民がもっと自由に旅行を楽しむようになり、コロナ感染者数がさらに減った状況になってからだと思われます」(前出・宮内庁関係者)
“不休の日々”にあって、テレビでとはいえWBC観戦で国民と同じ時間を共有できたことは、天皇陛下と雅子さまにとってもお心が震えるような出来事だったに違いない。