■独居を公表しても残った多くの疑問
さらに大きな批判を噴出させたのが、もう1つの変更点だった。
《両殿下、眞子内親王殿下(当時)、佳子内親王殿下で相談された結果、この経費を削減する目的で、眞子内親王殿下(当時)ならびに佳子内親王殿下が、分室(旧御仮寓所)に引き続きお住まいになるよう計画を変更することとなりました。結果的に、眞子内親王殿下(当時)はご結婚になったため、現在、分室(旧御仮寓所)にお住まいになっているのは、佳子内親王殿下お一方です》(宮内庁HPより)
御仮寓所は、改修中の秋篠宮ご一家の“仮住まい”として約9億8千万円の工費で建設された。
「改修工事の終了後は“職員の事務室や応接室、収納室などとして活用される”と説明されていたのですが、今年1月に佳子さまが御仮寓所での生活を続けられることが報じられ、物議を醸しました。それから5カ月もたって、宮内庁がようやく“佳子さまの独居”を公式に認めたわけです」(前出・皇室担当記者)
“お役所仕事”といえばそれまでだが、皇嗣職の説明は国民を納得させるにはほど遠いものだった。6月に『天皇家の帝王学』(星海社新書)を出版した、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんも次のように語る。
「そもそも宮内庁は、“ご一家で’22年度内にお引っ越しをなさる”と説明していました。それが引っ越しを完了されて3カ月もたってから、別居報道を追認するような形での公表となったのは不誠実ですし、皇嗣家に対する国民の信頼を裏切ったようにも見えます。
本来、宮家のご家族は同居されるのが慣例ですし、そのほうがお世話をする職員の人件費などの節約にもなっているはずです。それにもかかわらず、秋篠宮ご夫妻が佳子さまの一人暮らしを認められるのであれば、事前に理由などを説明されるべきだったと思います。また、秋篠宮邸に佳子さまのお部屋を設けないことになったことについて、“経費節減のため”としていますが、具体的に削減できた金額を公表しないことも、納税者である国民に対して不誠実だと感じました」
前出の皇室担当記者も多くの疑問を感じたという。
「眞子さんが結婚する前から、ご姉妹の部屋を設けないことを決めていたのなら、なぜこれまで公にしなかったのか? 秋篠宮さまと紀子さまが経費節減を目指されたにもかかわらず、改修費用が約35億円にも膨れ上がったのはなぜなのか? そうした疑問が残ります。
今回の発表により“やはり秋篠宮ご夫妻と佳子さまは一つ屋根の下に住めないほど、仲が悪いのか”と思った国民も多いでしょう。しかし最大の疑問は、なぜ秋篠宮さまと紀子さまはこの時期に、秋篠宮家にメリットのない、自爆行為のような公表に踏み切られたのか、ということです」