■「国民の理解を得るのは難しい」
前出の皇室担当記者は、一連のご回答についてこう語る。
「皇族数の減少については皇室の存亡にかかわる問題として国会でも論議されているにもかかわらず、まるで“人ごと”のようにお話しされているように感じました。また秋篠宮邸の改修問題については、“国民の理解を得るのは難しい”と、説明を放棄されたかのようにもとらえられかねない趣旨のお話をされています。
さらに悠仁さまの教育に関する質問に対しても、記者たちは帝王教育や将来のご進路について聞きたかったのだと思いますが、『恐らく1番関心が強いのはトンボ類のこと』『例えば大学に行くという時に、本人が何をしたいかということがやはり1番大事なのだと思います』といったお言葉しかありませんでした」
こうしたご発言を繰り返される秋篠宮さまのお立場について、神道学者で皇室研究者の高森明勅さんは次のように解説する。
「’19年4月、朝日新聞は秋篠宮殿下の皇位継承にまつわるお言葉を報じています。それは『兄が80歳のとき、私は70代半ば。それからはできないです』というものだったそうです。同じ記事には、天皇に即位することについて『そんなこと思ったことがない』と語られたと記載されています。
つまり秋篠宮殿下は傍系でいることを望まれており、即位を考えていらっしゃらないということになります。
また秋篠宮殿下は『自分は皇太子たるべく教育を受けてきていないから』と、皇太弟やそれに類した称号を受けることを辞退されたと繰り返し報じられていますが、このことについては、宮内庁も殿下ご自身も否定していないのです」
悠仁さまの帝王教育について語られないのも、「次男の自分は帝王教育を受けていないから」という引け目のようなお気持ちがあるからなのか。
前出の小田部さんは、
「一時期は、女性天皇の可能性について国会の論議も進んでいました。しかし悠仁さまのご誕生により論議は宙に浮き、秋篠宮さまが描かれていた“一宮家としての将来設計”に狂いが生じてしまったのではないでしょうか。いまは皇嗣家当主となりながらも、一宮家だったころのスタンスからも抜けきれないジレンマが、お誕生日会見などの秋篠宮さまの発言から感じられます」
“帝王教育を受けていない皇嗣”というお立場に苦悩されているという秋篠宮さま。だが“国民の理解を得る”ことは諦めずに続けていただきたい。