楽器を手にした小学生から高校生までの子供たちや大学生が、天皇陛下と雅子さまを前に緊張した面持ちで集まっていた。5月25日、岡山県を訪問されていた両陛下は、第74回全国植樹祭へのご出席を翌日に控え、岡山県立岡山工業高等学校で、「岡山市ジュニアオーケストラ」の練習を見学された。
その後、子供たちにお声がけされる雅子さまのご表情には、柔和さが浮かびつつも、まなざしにはいつも以上のご決意が宿っているように見えた。
「岡山市在住の児童・生徒を中心に、オーケストラ活動を行う環境が近隣にない子供たちも参加していて、懸命に取り組む姿に感動されたご様子でした。
雅子さまは、経済的な事情や虐待などを受けて困窮する子供の存在に、“希望を与えたい”と願われてきました。そうしたお気持ちから、さまざまな支援団体などに、ご公務のみならず私的な時間を割いてでも赴かれてきました。
しかし先日、子供たちを支援するご活動に関わる施設で、雅子さまが悲しまれる出来事が起きていたのです」(宮内庁関係者)
5月14日、警視庁町田署は児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで、社会福祉法人「福音寮」前理事長の飯田政人容疑者(66)を逮捕している。
じつは、福音寮が運営する児童養護施設には、雅子さまが2002年11月、2006年10月、2016年6月の3回にわたり足を運ばれており、入所する児童たちと交流を重ね、職員たちを励まされてきたのだ。警視庁担当記者は、飯田容疑者が起こした事件の経緯についてこう明かす。
「飯田容疑者は昨年8月から9月にかけて、18歳未満と知りながら、マッチングアプリで知り合った当時17歳の少女に対し、神奈川県内のホテルで2回にわたり、合わせて2万5千円を支払う約束をして、わいせつな行為に及んだ疑いが持たれています。
捜査関係者によれば、飯田容疑者は『18歳未満だと聞いていなかった』と容疑を一部否認している一方で、少女は容疑者と会った際に実年齢を伝えているといい、供述が食いちがっています。また飯田容疑者は、5月18日付で理事長の職を解かれています」
福音寮は戦災孤児の救済を目的に、終戦後間もない1945年に発足。家族による養育が困難な2歳から18歳までの60人ほどの子供たちが、現在もグループホームなどで分かれて生活している。22年前、雅子さまが初めて訪問されたのは、愛子さまが1歳になられる直前だった。