■ご体調が優れずとも施設に足を運ばれ…
当時を知る皇室担当記者はこう振り返る。
「緊張する児童を前に、同じ目の高さになるように低く腰をかがめられた雅子さまは、『寒くないですか』『(遊びは)何がいちばん好きなの?』と、一人ひとりに声をかけられていました。このご視察以降、施設の子供たちは毎年12月の雅子さまのお誕生日に手紙を書いていて、雅子さまはそのお礼としてバレンタインデーに花束やお菓子などを贈られているそうです。
飯田容疑者は、2002年7月に施設長に就任し、施設の代表の一人として雅子さまを迎え、アテンドする立場にありました。まさに雅子さまの困窮児童を支援するご活動の“同志”ともいえる人物だったのです」
飯田容疑者は、かつて本誌の取材にも応じたことがある。天皇陛下が即位された2019年、雅子さまのご訪問を振り返り、次のように語っていた。
《前回のご訪問(※2016年のご訪問)では、10年前に雅子さまにお会いした卒業生たちも「ぜひお会いしたい」と戻ってきて、皆が笑顔で思い出話をいたしました。それぞれに事情があり親と一緒に暮らせない子供たちを、皇后さまは心からずっと応援し続けてくださっているのです》
子供の福祉を担う施設のトップが、未成年を性的に搾取していたという衝撃的な“裏切り”。雅子さまは強く心を痛められた一方で、子供たちを守るという決意をさらに固められていたのだ。
「2006年と2016年の福音寮ご訪問は、雅子さまは私的なものとして足を運ばれましたが、この当時はとくに体調が優れない時期でした。おしのびという形であっても、困窮する子供たちに寄り添い、交流を続けたいというお気持ちが強かったからでしょう。それだけに今回の事件に強い衝撃を受けていると聞いていますし、何よりも入所している子供たちの今後の生活を案じ、思いを巡らせておられるはずです。
一般的に両陛下の行幸啓先に選ばれた組織や団体は、社会的に大きなステータスを得ることになります。その半面、訪問する場所で何らかの不祥事が起きていた場合でも、皇室として“お墨付き”を与えてしまうことになる可能性が生じかねません。
今回の事件のために、雅子さまが福音寮を再訪されるのは、かなり難しくなってしまったといえます。しかしそれでも雅子さまは、子供たちとの“絆”を守られようと、交流を続けるための手立てを検討されているのです」(前出・宮内庁関係者)
5月21日にも、千代田区の区立九段幼稚園を天皇陛下と訪問されていた雅子さま。事件が報じられた後にもかかわらず、工作を楽しむ児童を見守りながら、このときも優しくお声がけされていた。
常に“私が守る”という決意を胸に奮起され……雅子さまの子供たちを救うための歩みは、けっして止まることはない。