7月17日、紀子さまは第60回献血運動推進全国大会御臨席および地方事情ご視察のため、岐阜県を訪問された。紀子さまが岐阜県を訪問されるのは、12年に国民体育大会ご臨席のためにご夫妻で訪問されて以来、12年ぶり4回目。
この日の午後、岐阜県にご到着後、美濃市にある「岐阜県立森林文化アカデミー」をご視察。同アカデミーに設置された森林総合教育センターで、地元の小学生たちの輪に入られ、「ウッドスティック」という岐阜の木材を用いた教育プログラムを体験された。ご交流のなかでは、「みなさん、もう夏休み?」と、子どもたちにやさしく声をかけられた。
続いて紀子さまは、江戸時代の趣を現在に残す同市内の“うだつの上がる町並み”を訪れられた。屋根の両端に防火壁の“うだつ”が作られた家が並ぶエリアで、国の伝統的建造物群保存地区にも選定されている。この地域では、江戸時代に当時の豪商たちが自らの富を競い合うように家屋に立派なうだつをこしらえた歴史があり、うだつが裕福な家の象徴でもあった。町並みの一画にある「美濃和紙あかりアート館」ではユネスコの無形文化遺産に登録された本美濃紙の手すきの実演を見学され、「大切な技術を守っていってください」とお声がけをされた。
翌18日には、名誉副総裁を務められている日本赤十字社の岐阜県支部をご訪問。献血者数増加のため学生ボランティアが子どもたちを対象に行う「血育かるた」に参加された後、「第60回献血運動推進全国大会」(岐阜市)に出席され、「献血運動の輪がさらに広がっていくことを願います」とあいさつをされた。
紀子さまは岐阜県ご訪問前日の16日には秋篠宮さまとご一緒に、パリで開催されるパラリンピックの日本代表選手団の結団式に出席され、選手らを激励されている。暑さが厳しさを増すなかでの連日のご公務となったが、柔らかな笑顔をおみせになっていた。