■教育分野に従事したキャリアにも期待が
「大久保さんは、20年前まで都内の有名私立小学校で教師を務めた後、塾講師や家庭教師など、民間で教育分野に関わってきた女性で、ほかの女官とは異なったキャリアの方です。
たとえば2015年に東宮女官長に就いてから、現在も女官長として雅子さまに仕えている西宮幸子さんは、夫が駐中大使などを歴任した外交官の故・西宮伸一さんで、海外経験が非常に豊富です。
また、元通訳のキャリアがある木本彰子さんや津島南枝さん、皇太子妃時代から雅子さまの海外ご訪問に随行する箱嶋明美さんなど、現在の女官の陣容は、歴代でも屈指の国際派ぞろいなのです」(前出・皇室担当記者)
女官の採用にあたっては語学力を優先して選んでいることはないというが、これまでは宮内庁をはじめとする省庁の幹部、旧華族に連なる人から選ばれるケースがほとんどだったとされる。この“最強チーム”に大久保さんが起用された狙いは、どこにあったのか。
「そうした人脈から選ばれるので、自然と社会的なステータスやキャリアを持っている方が選ばれることが多いのです。
いっぽうで、大久保さんに白羽の矢が立ったのは、やはり今後のご公務で、教育や児童福祉といった分野へのアプローチをいっそう強めていきたいという雅子さまのお気持ちも大きいように感じています」(宮内庁関係者)
雅子さまはご成婚前より、国内外の恵まれない子供たちの生活や教育を支援する活動に強い関心を持たれてきた。傷ついた子供たちへの温かな慈しみは、皇室に入られてからも揺らぐことなく抱き続けられている。そしてご体調が優れない時期であっても、子供たちとの交流を懸命に重ねられていた。前出の宮内庁関係者は、
「外務省職員時代から、日本国内のみならず、世界の恵まれない子供たちの存在に心を痛められてきました。皇室に入られてからも、都内の児童養護施設にたびたび足を運ばれ、ご体調が優れなくても、子供たちに寄り添うご活動は優先して取り組まれています。
また東日本大震災の後、被災3県の中高生たちとの交流を長く続けられ、被災遺児への支援にも心を寄せられてきたように、雅子さまの“子供を救う”という使命感は一貫しておられるのです」
皇后となられて5年あまり。貧困に苦しむ世界中の子供たちの生活や教育環境についての活動を加速させていきたいお気持ちを、雅子さまは日々募らせているという。