10月14日から15日にかけて、「国民スポーツ大会」の閉会式に出席するため、佐賀県を訪問された佳子さま。
初日の14日、佳子さまは多久市の会場でスポーツクライミングの成年女子のボルダー競技を観戦された後、有田町にある県立九州陶磁文化館を訪問され、第15代酒井田柿右衛門さんから説明を受けながら有田焼の作品などを鑑賞された。有田町は、“日本の磁器発祥の地”といわれ、日本工芸会の総裁を務める佳子さまは今年2月にも同町の今右衛門窯を視察されており、有田町へのご訪問は今回で2度目となる。
この日の佳子さまの装いは、“柿右衛門の赤色”を思わせるような真っ赤なワンピース。そして今回、特に目を引いたのが、耳元に着けられた有田焼の美しいイヤリングだ。
柔らかな色味の白い磁器に伝統技法の“染錦”で赤いバラが描かれており、有田焼らしいデザインに注目が集まった。Xでは《佳子様の有田焼のイヤリングすごくかわいい お似合いでした!!》《佳子さま、イヤリングが有田焼だったのね 素敵》などと絶賛する声が。
佳子さまが着けていたのは、訪問された有田町に工房を構える「器とデザイン」が販売しているもので、職人が1点1点手書きで絵付けして作られていて、オンラインショップでも購入できる。
同工房の器作家でデザイナーの宮﨑雄太さんは、佳子さまが身につけられていることを「ネットで検索して知った」という。
「いつもなら月に何個か売れるという感じだったのですが、 佳子さまが佐賀にいらしたこの日は、夕方過ぎに立て続けに注文が入って、しかも全部が同じ商品。サイトの閲覧数も急上昇して、“何かな?”と思って。検索したら佳子さまがお着けになられていると知って、本当にびっくりしました。こんなことがあるのだなぁと感嘆と感謝しかないです」
同商品の価格は5500円。佳子さまは、今年9月に鳥取県を訪問された際にも、県内の工房で作られた同価格帯の寄木細工のアクセサリーを着用されていた。宮﨑さんは、佳子さまが従来から比較的リーズナブルな価格帯の商品も選ばれていることを今回初めて知ったという。
「皇室の方は 何十万、何百万円単位のものを身につけておられるイメージが僕の頭の中にあったので、5000円〜6000円の商品を買われたことにもびっくりしました。有田焼にしても、伝統も格式もある、それこそ柿右衛門さんとかのような名門のものを採用なさると思っていましたので、もう本当にまさかっていう感じはありましたね」
同商品はひとつずつ手作りのため、もともと在庫数は多くないものの即日完売。現在は予約販売となっている。
「予約は何百件、何千件というほどではないですが、何十件かはいただいている状態です。普段はこの“絵付け”をしたタイプより、赤や黄色の釉薬1色と金をあしらったモダンなデザインの方が“使いやすい”ということで最も売れるのですが、同時によそでも似たようなデザインも多いです。
一方で、伝統的な制作工程で細かく絵付けをしたアクセサリーは有田でも伊万里でもありますが、小さな1〜2センチの中に釉薬をかけて綿密に絵を描くとなると、値段が3万円や5万円と高価になりがちです。こちらの商品は、それをリーズナブルな価格で提供したいとの思いで作った目玉商品でした。
とはいえ売れるのはモダンなタイプばかり。“こっちの方がいいのに……”と思っていたので、そこにご着眼いただけてとても嬉しいです」
「器とデザイン」では、イヤリングのほかにも帯留めやブローチなどさまざまな商品を取り扱っている。器に限らない、“有田焼”の魅力を堪能してみては?