■“記憶の風化”を止める以上の効果が
「園遊会で、陛下と雅子さまが石川県からの招待者に見舞いと労いのおことばをかけられる機会もはるはずです。そのご様子をメディアが報じることで、国民に広く被災地の現実を思い起こさせる効果も生むのです」(前出・宮内庁関係者)
園遊会に招かれた石川県内灘町の町議会議長を務める七田満男さん(71)は、「たいへん名誉なことです」と語り、こう続ける。
「内灘町では、元日の地震で液状化があちこちで起き、約2千棟に被害が生じ、家屋の解体もようやく始まっているような状況です。広い地域で被災しているために、解体業者もなかなか手配できず、途方に暮れる被災者は少なくありません。
3月と4月に能登半島を訪問された後には、“両陛下に、再び前に進もうという勇気をいただいた”と話す人は数多くおります。私も穴水町の港で、由比ケ丘地区で亡くなった方々に対して、深々と拝礼された両陛下のお姿を見て感激したことは忘れられません。
もし園遊会で、陛下と雅子さまにお声がけを賜りましたら、“能登にもう一度お越しいただきたい”とお伝えしたいと思っています」
さらに園遊会で石川県の招待者に注目が集まることは、災害の記憶の風化を止めるほかに、自治体の財政的な支援にもつながると、前出の皇室担当記者は指摘する。
「阪神・淡路大震災、東日本大震災ともに、一世帯当たりの寄付金への支出額は月を追うごとに減少傾向にあるという統計を、2011年に総務省が出しています。
能登半島地震でも近い現状があり、ふるさと納税を通じた寄付も、あるサイトでは今年1月は寄付が多く集まったものの、5月の寄付金額は1月の121分の1だったという事例がありました。また全国から石川県に集まる義援金も、3月をピークに9月まで減っていたそうです。
この現状に対して、両陛下をはじめ皇族の方々が被災地を訪問されたり、さまざまな場面でお見舞いのお言葉を発せられることで、被災地に注目が集まり、寄付の喚起や、ボランティアに加わる人を増やすことにつながるでしょう。石川県からの招待者が増えたことには、“被災者を何としても救う”という陛下と雅子さまの強いご気概を感じます」
“能登救済”のご決意を胸に秘め、雅子さまは陛下と園遊会に臨まれる――。
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