世界各国から集まった専門家や政治家などが気候変動問題や持続可能な社会の実現に向けて議論を行う「GEA国際会議2024」が10月23日に開かれ、天皇陛下と雅子さまが出席された。石破茂首相なども居並ぶなか、陛下は次のように述べられた。
「今年も、世界各地で台風やハリケーンなどによる暴風雨や洪水、深刻な干ばつや大規模な山火事など、大きな災害に見舞われた地域が幾つもありました。日本でも、夏の暑さが大変厳しく、また、大雨により、能登半島地震の被災地を始め、各地で甚大な被害が発生しました」
各地で頻発、そして激甚化する自然災害。今年元日に発生した能登半島地震は、翌日に新年一般参賀を控えていた両陛下にとっても、深いご心痛を感じられた悲劇だった。皇室担当記者はこう語る。
「新年の祭祀で国民の幸せと安寧を祈られたばかりのことで、陛下と雅子さまも非常にお心を痛められていたと聞いています。今年、陛下はさまざまな式典などで、13回も被災者を見舞われるおことばを述べられています。
また、歌会始や先日の佐賀県での国民スポーツ大会など、両陛下は石川県出身の方にお声がけされる際には必ず労いのおことばをかけられていました」
能登半島地震では、10月1日時点で、関連死を含めた死者は401人となり、多数の家屋が倒壊、道路や水道といったインフラ設備も広範囲で破壊された。とくに輪島市や珠洲市、能登町にいたっては、9月20日からの豪雨で、河川の氾濫、土砂崩れなどにより15人も犠牲となり、地震と豪雨の「二重被災」が、奥能登の人々をさらに苦しめているのだ。
この状況に宮内庁関係者は、
「両陛下は10月23日、宮内庁を通じて石川県に見舞金を贈られました。二重に被災した人々の苦境に、身を切られるような思いをされていると伺っています。
再び避難所生活や断水を余儀なくされるなかで、もうすぐ厳しい冬を迎える奥能登の被災者たちや、半島という地形で制約が多い状況で、年初から捜索や復旧に当たってきた警察・消防の関係者を、どうしたら勇気づけることができるか……。陛下と雅子さまは議論を重ね、計画されてきたそうです。
そうしたお気持ちは、10月30日に両陛下が催される秋の園遊会の招待者名簿にも表れています。昨秋の園遊会で3人だった石川県からの招待者は、今回は11人と、およそ4倍となっているのです」
約1千900人の各界の功労者が赤坂御苑に招かれる園遊会。今回は世界中を沸かせたパリ五輪・パラリンピックの金メダリストたちが招待されていることも注目されている。だが華やいだ場へ、昨年よりも多く石川県からの招待者を招かれていることに、能登半島の現実に光を当てるという両陛下の願いが表れているという。