「おめでとうございます」
「緑がきれいですよね」
愛子さまと佳子さまのこんなお言葉が聞こえてきた皇居・宮殿の「連翠」では、11月5日、文化勲章受章者と文化功労者を招いた宮中茶会が開かれていた。茶会はコロナ禍で見送られてきたため、飲食を伴う茶会の開催は5年ぶり。天皇皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻に続いて、愛子さまと佳子さまが招待者の前に並ばれた。
愛子さまにとっては初めてのご出席となったが、堂々たるご様子だったようだ。出席者の一人で、天皇ご一家と長年交流があるチェリストの堤剛さんは、愛子さまに次のような印象を抱いたという。
「愛子さまを小さなころから存じ上げておりますけれども、失礼な言い方かもしれませんが、本当に素晴らしい女性に成長されたと、第一に感じ入りました。私は82歳となりましたが、愛子さまからは『これからも健康に気を付けられて……』と、温かいお言葉を賜りました。
愛子さまは天皇皇后両陛下と同じように、私と音楽の話をされるだけでなく、ほかの招待者と物理や和歌の話をなさったり、臨機応変にお話をなさっていて、本当にすごいことだと思いました。
私も教育に携わっていますので、愛子さまが成長されてご立派になられている、そういうお姿を見せていただけたことは、本当にうれしいことでした」
茶会は、招待者が座る丸テーブルに、皇室の方々が二人ペアでご着席。前菜からデザートまで、食事が供されるたびに、両陛下や皇族方がほかのテーブルに移動するスタイルが取られている。皇室担当記者は、
「平成時代に上皇ご夫妻が始められた形式で、両陛下はじめ皇族方と受章者全員が懇談できるようになっています。先にお席についておられる両陛下や皇族方にお迎えいただく形で、招待者が着席します。
通常、こうした食事を囲む場で天皇陛下が席を立たれて動かれることは、ほとんどありません。皇室の方々がホストとして、招待した人々をもてなそうとするお心遣いが表れているスタイルともいえます。
今回は、天皇皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻、愛子さまと佳子さまの3組に分かれて、文化勲章受章者7人と文化功労者15人がそれぞれ座る各テーブルを回られていました」