天皇陛下と雅子さまは12月17日、今年9月に発生した奥能登豪雨で大きな被害を受けた石川県輪島市を訪問し、被災者を見舞われた。
両陛下が石川県を訪問されるのは、元日に発生した地震後の3月、4月に続いて今回で3度目。午前11時すぎに能登空港に到着されると、出迎えた馳浩知事(63)と挨拶を交わされ、輪島市に向かわれた。
「両陛下のご訪問は、これまでと同じく今回も日帰りでした。現地ではマイクロバスで移動され、ご視察やお見舞いなど同日夜に帰京されるまで分刻みのスケジュールで動かれていました。両陛下は移動に際して、車列が長くならないようマイクロバスに職員らと同乗され、弁当や飲料水も東京から持参されるなど被災者の負担にならないよう配慮されていました」(皇室担当記者)
両陛下は同日午後に、豪雨で川が氾濫し女子中学生ら4人が犠牲になった輪島市久手川町をご視察。がれきや生活用品がいまも残る現場に立たれると、深く頭を下げて黙礼を捧げられていた。
続いて訪問されたのは、いまも30世帯51人が避難生活を送っている輪島中学校。お二方は被災者と目を合わせるために腰をかがめられ、「辛かったですね」「お体大事にしてくださいね」などと温かい励ましのお言葉をかけられたという。
両陛下が輪島市を訪問されるご様子は、各メディアの映像でも伝えられた。とりわけSNSで注目を集めていたのは、雅子さまの被災地に寄り添われる“徹底した身だしなみ”だ。
「雅子さまは羽田空港の出発時と能登空港に到着された時は、パールのイヤリングとネックレスを着けられていました。いずれもシンプルなデザインではありますが、マイクロバスで輪島市に到着された際にはいずれも外されていたのです。これまでも被災地を見舞われる際はアクセサリーなどの装飾品は外されていましたが、改めて気づいたという国民もいたようです。雅子さまは前回同様に黒いタートルネックのニットにスラックスパンツをお召しになり、リップも控え目な色味を選ばれていました。華やかなお召し物やアクセサリーなどの装飾品は、“被災地にはふさわしくない”ということをよく理解されているのでしょう」(前出・皇室担当記者)
雅子さまが被災地で見せられたファッションの変化に、Xでも《心遣いが素晴らしい》《頭が下がります…》《涙が出ます》と感激する声が上がっていた。
今月9日に61歳になられた雅子さまは、お誕生日に際して公表されたご感想で、全体の4分の1にも及ぶボリュームで能登半島地震について言及されていた。
「雅子さまはご感想の冒頭から、困難に見舞われた被災者を案じるお気持ちや、復旧・復興に向けて尽力している関係者たちへの敬意と感謝の気持ちをつづられていました。10月から11月にかけての地方ご公務や園遊会、先月薨去された三笠宮妃百合子さまの弔事もあり、お疲れもためられていたことでしょう。
それでも“被災者へのメッセージは絶対におろそかにしない”という強い使命感から、精いっぱいの力で文面の推敲に臨まれていたと伺っています。ご自身も病気と闘われていますが、被災地への慰問は“必ず成し遂げる”という強いご意志をお持ちです。細やかな部分まで身だしなみが徹底されているのも、常に被災地に心を寄せ続けられているからこそできるご配慮なのだと思います」(宮内庁関係者)
本格的な厳冬を迎える被災地で、天皇陛下と雅子さまの励ましは多くの人々の心を温めたにちがいない。