パレードをご覧になる天皇ご一家 /(C)JMPA 画像を見る

真っ青に広がる空の下、皇居・東御苑にある天守台の前で、皇宮警察本部(以下、皇警)の護衛官たちが緊張した面持ちで整然と並んでいる。1月24日、皇警の新年を飾る恒例行事である年頭視閲式が開かれ、天皇陛下雅子さまが2年ぶり、そして愛子さまが初めて出席されたのだ。

 

視閲官を務める皇警の本部長以下、銃器対策部隊をはじめとする特別警備隊や警察犬部隊など、総勢約260人が参加したこの式典。両陛下に続いて、愛子さまが会場に到着されると、張り詰めた空気が一転して和やかなものへと変わったようだったという。

 

「天皇ご一家に見守られながら、護衛馬部隊やサイドカーなどが、音楽隊が奏でる勇壮な行進曲に合わせてパレードを行いました。護衛部長が説明役を務めていましたが、天皇陛下が愛子さまに熱心に“レクチャー”されるような場面が多かったことが印象的でした」(皇室担当記者)

 

皇室の方々の警衛に日々従事する護衛官たち。天皇ご一家のご臨席によって、彼らの士気も大いに鼓舞されるのだろう。元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんはこう話す。

 

「皇宮警察本部は警察庁の附属機関ですが、天皇ご一家を直近でお護りする側衛官は、宮内庁から内舎人などの兼務辞令も出ていますので、侍従職の職員と同様に私的な部分のお世話にも携わります。

 

年頭視閲式は、皇宮護衛官の晴れ舞台といえます。両陛下は平素の感謝の気持ちを込めて出席されたのでしょう。また愛子内親王殿下がご一緒されたこともよいことだと思いました。これも“令和流”の一つといえるでしょう」

 

年頭視閲式は、1985年に初めて実施され、皇警の創立100周年だった1986年に、皇太子となられる前の陛下が出席されたことがあった。ただ、天皇皇后両陛下によるご臨席は、以前にはなかった。宮内庁関係者は、

 

「昭和、平成の時代は、皇警の武道大会をご覧になることはたびたびありましたが、年頭視閲式に臨まれることはありませんでした。しかし2023年、初めて両陛下そろってのご臨席で注目を集めました。この前年、皇警では前代未聞の不祥事が報じられ、綱紀粛正が図られている最中だったからです」

 

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