■天皇陛下が養われた困難に打ち克つ力
天皇陛下も皇太子時代、2004年の「人格否定発言」の際には、ご家族や宮内庁内からも厳しい批判がなされたことがあった。前出の宮内庁関係者は、
「当時の孤独な状況を乗り越えられたのは、ご家族の存在もありますが、陛下ご自身の“強さ”に起因する部分も大きいように感じています。
ご結婚前の赤坂御所の離れでの“一人暮らし”、オックスフォード大学での寮生活で買い物や洗濯などに苦戦しながら生活されたご経験、ご自分で重い荷物を背負い、険しい道を進む登山……陛下は生活の中で、天皇に即位されるためのご研鑽を重ねられてきたのでしょう。
秋篠宮さまへのご遠慮もあるのでしょうが、直接的に“天皇の学び”を授けられる機会は、現状そう多くはありません。ただ、折にふれてご自身の経験を、悠仁さまに示しながら、教えを授けられてきたようにお見受けしています」
そして“皇女”として次世代を担われる愛子さまが、自然と悠仁さまを笑顔にし、勇気づけられるような環境を、両陛下は整えられていたというのだ。
「昨年9月、悠仁さまが18歳のお誕生日を迎えられ、両陛下へのご挨拶の場には、愛子さまがお勤め先から早退され、御所に駆け付けられたことがありました。また、先月の陛下のお誕生日の際にも、悠仁さまのご挨拶時に愛子さまが同席されています。
じつは両陛下は、愛子さまと悠仁さまがいつでも話ができる関係をいっそう深めてほしいと願い、意識して同じ場にいるように取り計ってこられたというのです。
愛子さまはご年齢が近いからこそ、理解できる悠仁さまのお悩みがあるでしょうし、的確なアドバイスも期待できます。次世代の皇室を支えていくお二方が力を合わせやすい環境を整えることを、両陛下は重要視されているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、悠仁さまが記者会見で語られた内容に、ひとつの可能性を感じたという。
「トンボの研究活動についての見通しが非常に具体的で、将来はライフワークとして環境や自然災害の問題にリンクしていく可能性も感じました。
歴代の天皇が臨まれてきた“帝王学”は、自ら学ぼうという意思があって初めて学べるもので、悠仁さまのご意思が最も大切です。
今後悠仁さまがお一人で生活されることは、日ごろ多くの人に頼っていた家事も、ご自身でなさる機会となります。国民の生活の在り方などを実感しつつ、失敗などを繰り返しながら、自立心を育まれることは、将来のおつとめの中で直面された困難に打ち克つ力にもつながるはずです。国民にとってよりよい天皇となるためにはどうすべきか、大学生活のなかで自覚されてほしいと願っています」
天皇ご一家が一丸となり行われる力強いバックアップを得ながら、筑波の地で研鑽に励まれる日々が悠仁さまを待っている。
