■個人的なレベルで親交を深めたご両家
雅子さまの適応障害が公表された2年後の2006年8月、天皇ご一家は約2週間、同国で静養されている。異例の長期ご滞在は、雅子さまのご体調を案じたベアトリクス前女王の招待で実現した。
「上皇ご夫妻のご訪問以来、皇室とオランダ王室の交流は各国王室の中でも深いものがあります。とりわけ前女王は、ドイツ出身で外交官だった夫・クラウス王配がうつ病で苦しんでいたこともあり、雅子さまのご病状にも理解が深く、心を寄せていたのです。
ご滞在中の天皇ご一家をもてなしたのは、当時皇太子だったウィレム=アレキサンダー国王一家です。ご家族同士で穏やかな時間を過ごされた効果は大きく、雅子さまは帰国後、地方ご公務を再開されるなど、ご体調面にもポジティブな効果があったと伺っています」(前出・皇室担当記者)
天皇陛下とアレキサンダー国王は、グローバルな水問題でともに活動されるなど、両家は個人的なレベルでも親交を深めてきた。皇室番組を長年手がける放送作家のつげのり子さんはこう話す。
「2013年に行われたアレキサンダー国王の即位式に際し、ご体調の波のため迷われていた雅子さまに、マキシマ王妃が直接電話し招待されたというお話がありました。それほど両陛下とオランダ国王夫妻は親しい間柄なのです。現在も、天皇ご一家と国王ご一家は、お手紙や電話、メールを用いて、お互いのご家族のご様子や近況を伝え合っておられるのではないでしょうか」
オランダご静養当時、4歳の愛子さまが手をつながれていた2歳年下のカタリナ=アマリア王女は、まさに“幼なじみ”といえる。成長したプリンセス同士の再会は、両国の親善をさらに発展させるはずだと、前出の宮内庁関係者も期待感を口にする。
「アマリア王女は同国の王位継承順位第1位で、次期女王となります。現在大学生ですが、すでに国民から絶大な人気を寄せられています。愛子さまがオランダを公式に訪問されるとなれば19年ぶりに再会されるわけですが、両国の親善を深めるうえでも、象徴的な出来事となるでしょう。
それは雅子さまにとっても、ご体調がおつらい時期に寄り添い、回復に向けて手を差し伸べてくれたオランダ王室への感謝を示すことにほかなりません」
実現すれば、“母の恩返し”ともなる愛子さまのオランダご訪問。前出のつげさんも、
「あどけなかった愛子さまが、こんなにご立派に成長されたと、アレキサンダー国王ご一家も家族のように歓待するでしょう。
日本とオランダの交流は425年と、他国と比べてもとても長い歴史があります。愛子さまのご訪問が実現し、1千年に及ぶ友好を築く懸け橋になることを期待しています。そして愛子さまご自身も、海外の王室との交流を深めることの大切さを、いっそう実感される契機となると思います」
初の海外ご公務を、思い出が詰まったオランダで――。雅子さまの感謝の思いを胸に秘め、愛子さまが欧州へ旅立たれる日は近い。
画像ページ >【写真あり】19年ぶりの再会が期待される“幼なじみ”プリンセス(他11枚)
