■国連を通じた貢献を志されたからこそ…
国家間の複雑な問題に対処するため、80年前に発足した国連。両陛下にとっても、志を投影し、協力する組織として、これまでのご活動で深く関わられてきた。皇室担当記者は語る。
「陛下はライフワークとされる水の問題で国連本部で講演を行うなど、皇太子時代から多岐にわたる形で関わられています。
雅子さまも、実父・小和田恆さんが国連大使や国際司法裁判所の所長を歴任し、外務省職員時代のお仕事でも国連の機関と接点があります。ご体調を崩されて以降も、日本にある国連大学で、国際関係論を聴講したり、環境問題やアフリカに関するシンポジウムへ参加されてきました。
不条理に直面し命の危機にさらされている世界の子どもたちを救うために、どのようにご自身が貢献できるのか……雅子さまが一貫して模索される場であったのです」
だが国連は近年、存在意義が問われている。ウクライナやガザでの殺戮、気候変動問題、広がり続ける豊かな国と貧しい国々との経済的格差……。大国の思惑に翻弄されている国連の関係者たちの苦悶に、両陛下はご表敬を通じてどのようなエールを送られるのか。
長年皇室番組を手がける放送作家のつげのり子さんは、こう期待している。
「現在も世界では国境を巡る政治的な対立、紛争、飢餓に苦しむ人々、気候変動による災害も年々被害の度合いを増しています。こうした状況に最も大きなダメージを受けるのは幼い子どもたちです。
もし天皇陛下と雅子さまがNYの国連本部を訪問されるのならば、子どもたちに対する人道的支援を、国連の機関を通じて各国が連携して行う大切さを、ぜひ発信していただきたいと思います」
平和な世界の実現のため、戦後81年の新たなる旅を、雅子さまは陛下と始められようとしている。
画像ページ >【写真あり】両陛下はトランプ大統領夫妻が宿泊していたホテルにお別れのご挨拶へ(他11枚)
