■不発弾の悲惨さをより知らしめるため
愛子さまはかつて学習院女子中等科の卒業文集に寄せた「世界の平和を願って」という作文で、
《「平和」は、人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくもの》
とつづられている。戦争によるあらゆる犠牲をなくすため、具体的に行動されることの大切さを、愛子さまはあらためてラオスご訪問前に決断されていたのだ。
「愛子さまは地雷処理の団体との交流や事前のリサーチから、不発弾被害の悲惨さを“もっと世の中に伝えたい”とお考えになったのでしょう。コープ・ビジターセンターのご視察は、愛子さまにとっても強く願われたことだったとお見受けしています。
クラスター爆弾はウクライナやガザ地区での戦闘でも使用されているともいわれています。過去の出来事を振り返るだけの場所ではなく、現在進行形で犠牲者を生み続ける問題を想起させる場所に皇室の方々が足を運ばれるのは、極めて異例なこと。愛子さまのご意志の強さが窺えます。
さらに最近では、地雷廃絶に向けて行動し、世界から称賛されたダイアナ妃の足跡も参考にされているとも聞きました」(前出・宮内庁関係者)
チャールズ国王との離婚後、1997年8月にパリで事故死したダイアナ妃。亡くなる直前に、アフリカのアンゴラの地雷原を訪問し、簡素な防護服だけで処理活動に参加した姿は、世界中に衝撃を広げた。英国王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう話す。
「ダイアナ妃が、地雷で足を失った女の子と並んで座る姿が報じられたことも印象に残っていますが、その行動で世界に対人地雷の問題を知らしめたのです。事故死から約4カ月後の1997年12月、対人地雷を規制するオタワ条約の調印が実現していますが、ダイアナ妃の貢献も大きいでしょう。
愛子さまが戦争という理不尽に翻弄される人々に寄り添い、地雷をはじめとする不発弾処理という世界的な問題に視野を広げられるのは、とても素晴らしいことです。両陛下もグローバルな視野をお持ちですから、愛子さまも“自分は何ができるのか”と常に考えていらっしゃるのでしょう」
地雷、クラスター爆弾から子供たちを救うため――。愛子さまはラオスご訪問で、さらなる進化を遂げられている。
画像ページ >【写真あり】アンゴラ中部のウアンボで、地雷の除去現場を歩くダイアナ妃(他14枚)
