■支える人々へ対するこまやかなお気遣い
そうしたご姿勢は、まさに天皇陛下から学ばれたものなのだろう。皇室解説者の山下晋司さんには宮内庁職員時代に、陛下のお気遣いを感じた場面があった。
「1991年、天皇陛下のモロッコ・英国ご訪問に報道担当として随行しました。陛下は赤坂御用地の東宮仮御所にお住まいで、ご結婚前です。夜遅く帰国し東宮仮御所で解散した後、東宮職職員に挨拶して帰ろうと事務室に伺いました。
そこにたまたま陛下がおいでになり、『山下さん、お疲れさまでした。ちょっと飲みますか』とお声がけいただき、二人でお酒を飲みながらお話ししたのです。
このご訪問に随行した職員のうち、本庁勤務は私だけでした。次にいつお会いする機会があるかわからないわけです。陛下もお疲れだったのに、そんな私を労うためのお気遣いだったのでしょう」
陛下のお気遣いは、天皇として大切ななさりようだという。静岡福祉大学名誉教授で、歴史学者の小田部雄次さんはこう話す。
「天皇ご一家は1月に、皇宮警察の年頭視閲式にそろって出席されました。これは、命がけで支えてくれる人々に対する大いなる感謝と敬意の表れといえます。
周囲で支える臣下に対し、身分の高低にかかわらず、円滑な人間関係を保つことを、古来の天皇は心がけるべきとされてきました。帝王教育においても、下位の立場にある人々へ示す態度や礼儀、感謝の意の示し方といった部分が重視された側面もあったほどです。
現代社会には身分制度はなく、天皇家はじめ皇室の方々を支える宮内庁職員は国家公務員です。とはいえ“支えられる”“支える”という関係は変わりません。その意味で、両陛下や愛子さまのお気遣いは、『上に立つものの資格』として、もっとも重要な態度の表れだといえるのです」
周囲で支えてくれる人々に「私たちは家族」というように気遣われるご姿勢。それこそが愛子さまに、“天皇の心得”が息づいている証しといえるのだろう。そして、差し入れられた味噌汁の温かさは、寒空の下で働く人々の体と心を温めるはずだ。
画像ページ >【写真あり】24年前に雅子さまが愛用されたバッグをお持ちになる愛子さま(他19枚)
