17世紀に建てられたアムステルダム王宮で開かれた、ウィレム=アレキサンダー国王夫妻主催の晩餐会に臨まれた天皇陛下と雅子さま。国王から贈られた「オランダ獅子勲章」をつけられた陛下が、国王のスピーチに続けて、
「ウィレム=アレキサンダー国王陛下、マキシマ王妃陛下、ベアトリクス王女殿下(前女王)、Goedenavond(オランダ語で『こんばんは』)」
とスピーチを始められた。
426年に及ぶ日本とオランダの交流。陛下のおことばで、戦争についてどう語られるか、世界が注視していた。
「第二次世界大戦で、日本はオランダ統治下のインドネシアに侵攻し、十数万人の現地のオランダ人を抑留するなど、両国には悲しく痛ましい記憶が残っています。
そして戦後80年を迎えた昨年、『記憶継承の旅』を行われた両陛下ですが、この機会にメッセージを発信しなければならないという思いを強く抱かれていらっしゃったようなのです」(宮内庁関係者)
さかのぼること49日前の4月29日、両陛下は政府主催の「昭和100年記念式典」に臨まれていた。この際、高市早苗首相や三権の長らが式辞を述べた一方で、陛下のおことばがなかったことに、疑問の声が数多く上がったのだ。
皇室担当記者はこう語る。
「高市首相による“おことばの封殺”だと厳しい批判も広がったほどでした。そして、“歴史から謙虚に学び、将来へとつなげる努力が大切”などといったお気持ちで両陛下が出席されていたと、式典翌日に“お考え”として宮内庁が公表したのです。
こうした点を見ても、両陛下は平和を希求する思いをお伝えになりたかったのだと思いました」
そして陛下は晩餐会で、両国には苦難の時期があったとし、英語でこう述べられた。
「私たちは絶えず謙虚に過去の歴史から学び、人々の痛みや悲しみに寄り添って耳を傾け、悲しみを繰り返さないよう、悲惨な体験や苦労を後の世代に伝えていかなければなりません」
前出の宮内庁関係者が続ける。
「両陛下は出席の直前までスピーチ原稿の表現について推敲を重ね続けていらしたそうです。晩餐会には戦争被害者や遺族らの団体からオランダ人男性2人が招かれ、両陛下は懇談されています。おことばや懇談の際のご姿勢、そのすべてに真摯な平和と和解の願いが表れていて、人々も感動した様子だったと伺っています」
両陛下は“封殺”にも屈せず、世界に向けて悲願のメッセージを届けられた。
画像ページ >【写真あり】「昭和100年記念式典」でゴキゲンだった高市首相(他13枚)
