■“AI時代”に求められるご公務
学習院大学ご在学中は平安文学など日本文学を専攻し、学生時代は“文系”だった愛子さま。実はご専門から離れた分野への挑戦もお考えになっているというのだ。
「7月上旬に、荒川泰彦・東京大学名誉教授によるご進講に臨まれました。荒川さんは、『量子ドット』という概念を提唱し、その理論は高性能・高効率の半導体やディスプレイ、量子コンピュータ、太陽電池と、さまざまな形で活用され、社会を支えています。
愛子さまはお手元の資料に目を落とされながら、熱心に質問されていたと聞いています。このご進講は、8月中旬に都内で開かれる『半導体物理国際会議』の開会式に出席し、お言葉を述べられる予定に備えるため、という側面があったようです。
愛子さまはご公務にあたって、表面的な知識をインプットするだけではなく、基礎から周辺分野にいたるまで情報を調べ上げて臨まれています。現代社会において、半導体はどのようなものに使われ、一人一人の生活にどのように寄与しているのか、最新の研究はどのような状況なのか……。徹底したご準備は、陛下と雅子さまによる長年のご指導あってのことでしょう」(前出・皇室担当記者)
半導体は、スマートフォン、パソコンのみならず、家電製品、自動車、銀行のATM……あらゆる電子機器に組み込まれている物質だ。コロナ禍以降、流通の問題などから世界的に不足が叫ばれるようになったが、現在もその状況は続き、各国で供給を巡って、国や企業の競争が激化している。
とくに拍車をかけている要因の一つに、AI(人工知能)の爆発的な普及がある。AIの学習や活用などには、膨大なデータを高速で処理する必要があり、高性能な半導体部品が欠かせないためだ。
愛子さまが最先端の科学技術に関わられる意義について、長年皇室番組の制作に携わる放送作家・つげのり子さんはこう話す。
「半導体メーカーの株価が世界的に上昇基調にあるように、世界経済において半導体は重要な存在となっています。そしてAIも、さまざまな経済活動、創作や表現の活動など、いまや欠かせない存在になりつつあります。
愛子さまが半導体物理国際会議に出席されることは、国際会議のために世界から訪れる研究者に対して、日本が多くの国との学術交流を通じた科学技術の発展を大切にしている姿勢を示すという意味があると思います。専門家の知見に接することで、愛子さまにとっても未来の社会に目を向ける機会となるでしょう。
なにより愛子さまがこうした最新のテクノロジーに関するご公務に臨まれることで、AIが生活に密接に根付き始めている若い人々に、皇室に対する共感や親近感を与えるはずです。皇室が現代社会の発展とともにある、というメッセージを示すことにもつながると思います」
AIをめぐっては、愛子さまの同世代のプリンセスも深い関心を抱いていた。その一人が、両陛下が先月訪問されたオランダのカタリナ=アマリア王女だ。欧州王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう話す。
「昨年、カタリナ=アマリア王女がディープフェイク(AIを悪用して生成した偽の映像や画像)のポルノ被害に遭ったと報じられました。しかも王女は2度も被害に遭ったというのです。
しかしアマリア王女はこの問題に向き合います。大学の卒業論文で、欧州の基本的人権とディープフェイクをはじめとするAIに関連する法制度をテーマとしたのです。さすがは次期女王らしいふるまいだと、同国で称賛を集めていました。
両陛下はアマリア王女から、愛子さまへのさまざまなメッセージを託されていらっしゃるでしょう。次世代を担うプリンセスが、現代の問題にともに向き合われることは素晴らしいことだと思います」
