■動物デザインに込められた思い「小児病棟で持っていてもおかしくないお守りに」
今回注目を集めたのは、猫6匹の「6猫」にかけた「無病守り」。’22年2月22日の“猫の日”から販売をスタートさせたが、こちらもすぐに売り切れてしまったという。
「お寺の方に直接お越しいただいても対応できなくなりましたので、猫のお守りも郵送対応を開始いたしました。たしか’22年3月には、郵送対応を始めていたかと思います」と、住職は振り返った。
また、動物のデザインが施されたお守りを販売しているのは、“理由”があるという。
「猫のお守りが誕生する以前から、『子供が小児病棟で持っていてもおかしくないお守りがほしい』というお声があったんです。小児病棟に『がん封じ』と書かれたお守りがぶら下がっていると、やっぱり気になるということで。
最初は病気が飛んでいくという意味と、幸せがくるという意味を込めてインコのお守りを作りました。そうすると今度は文鳥を飼われている方から『文鳥がほしい』など、ご自分の飼われているペットのお守りを付けたいという希望が多く寄せられたのです。
もともと『無病守り』を作りたかったことと、小児病棟でも置いておけるお守りにしたいという思いが前提にあったので、それなら猫にしようと決めました」
だがそうした思いとは裏腹に、お守りはオークションサイトに出品されてしまう事態に。住職は、その苦悩をこう語る。
「酷いものですと1体あたり数千円など、『この値段で出されたら困る』というようなものもありました。やっぱりお守りというものは、様々な思いで買われていると思います。お守りだけが独り歩きしてしまうのは、お寺としても困りますので……。とはいえ、転売に関して厳しく禁じるつもりはなかったので、お寺の方で可能な限り対応しようと考えました」