【3】自腹レジ補填
飲食店のパートでレジ業務を担当していたCさんは、レジの収支が合わないときは自腹で補填せられていた。
<対処法>
「自分が悪いのだから仕方ない」と泣き寝入りする人が多いが、企業側が従業員に弁償させたり罰金をとるなどした場合、労働基準法16条の違反に。労働基準監督署や、ユニオンなどに相談を。
【4】「ダンナが稼いでるんだろ」でクビ
10年以上事務のパートをしていたDさん。毎年、契約更新していたが、ある年突然、上司からは「夫に養われているんだから生活には困らないだろう」と言われ雇止めに。
<対処法>
Dさんのような有期労働契約であっても、一定期間雇用を継続していた場合、突然“雇い止め”することは、労働契約法19条に違反する。雇用継続の可能性があるので、労働基準監督署かユニオンなどに相談を。
【5】上司の飲みを断ってクビ
貿易会社のパートとして事務職に就いていたEさん。上司から、「ふたりで飲みに行こう」としつこく誘われ、断ったところ冷たくされるようになり、雇い止めにあってしまった。
<対処法>
雇い止め自体が労働契約法19条違反であり、その原因がセクハラという二重に不当な行為。雇用主には職場環境配慮義務があるので、セクハラ・パワハラを受けた場合は、メールやLINEの保存、会話を録音しておく等の証拠保持を行い、それを持って社内の相談窓口や、信頼できる上司、人事部などに相談を。
【6】パワハラで鬱
パートで病院の医療事務をすることになったFさん。小さなミスでも大声で怒鳴られたり、嫌がらせされたりといったパワハラを受けた結果、鬱に。
<対処法>
5のケースと同様で、雇用主には職場環境配慮義務があるので、信頼できる上司や相談窓口に相談を。
【7】永遠に辞められない
エステサロンの美容部員としてパート勤務していたGさん。上司に「辞めたい」と打ち明けたところ却下され、辞めるなら入社時に受けた研修費用を支払うよう要求された。
<対処法>
民法627条では「退職の自由」が定められている。雇用期間の定めのないパート勤務の場合、退職の2週間前に申し出れば辞職できる。また、体調不良などやむを得ない場合は、いつでも辞職が可能。会社に退職願を提出し、そのあと出社しなければ問題はない。
【8】“パートさん”呼びで差別
販売員としてパート勤務していたHさん。正社員と業務は同じなのに、“パートさん”と呼ばれて本名すら呼んでもらえず、入館証を首から下げるストラップの色をはじめ、食堂で食事するエリアまで正社員とパートで分けられるなど、差別的な扱いを受けた。有給休暇も取得させてもらえなかった。
<対処法>
有期雇用労働法によって、正社員と非正規労働者との不当な差別が禁じられている。ユニオンなどに相談を。