(写真・神奈川新聞社)
マイナンバー制度は憲法が保障するプライバシー権を侵害し違憲だとして、県内を中心とした住民201人が24日、国に個人番号の収集・利用の差し止めや1人当たり11万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こした。弁護団によると、同制度をめぐる集団訴訟は県内では初めてで、原告数は全国で最多。
全国の弁護士や市民でつくるグループによる一斉提訴。弁護団によると、この日は名古屋と福岡の両地裁にも計約30人の住民が提訴。昨年12月には東京、大阪など5地裁でも同様の集団訴訟が起こされている。
横浜の原告団で記者会見した公務員の宮崎俊郎さん(55)は「番号がどの範囲まで使われるのか全く明らかにされていない中、拒否する人は『非国民』という勢いで国は制度を広めようとしている。市民の漠たる不安は全く解消されていない」と訴えた。
弁護団の小賀坂徹弁護士は「現代の社会においてプライバシーとは何か、司法の判断を求めたい」と強調。1月から制度の本格運用が始まったことで関心も高まり、全国で最大となる原告団になったという。
訴状によると、原告側は同制度について、自らの意思と無関係に巨大な情報ネットワークシステムに取り込まれ、プライバシー権の重大な侵害に当たると主張。個人情報の漏えいの危険性にもさらされると訴えている。
内閣府番号制度担当室は「訴状が手元に届いておらず、現時点でのコメントは差し控える」としている。
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