(写真・神奈川新聞社)
松田町が町立小中学校での情報通信技術(ICT)教育に力を入れている。環境整備のため、2014年度から4年かけて小学5年から中学3年までの児童・生徒にタブレット端末を1人1台配置。ICTを活用し、子どもたちの授業に対する理解度を高めるとともに、思考力や判断力などを育てる。
町立松田小学校(同町松田庶子)で10日、ゲームを使ってプログラミングを体験する教室が開かれた。6年生約30人の机の上にあるのはタブレットのみ。
「じゃあ、キャラクターを動かしてみましょう」。大手IT子会社の社員らに教わりながら、子どもたちはタブレットの画面を指で操作。「前に進む」「右に曲がる」「ブロックを破壊」などの動作を組み合わせ、キャラクターを指示通りに動かす全14のステージに挑戦した。児童(11)は「思った通りに動くとすごくうれしいし、楽しい」と目を輝かせた。
同校にはプロジェクト初年度からタブレットが導入された。授業で分からない点があればすぐに調べたり、画面に表示された図や表を拡大したり…。「教科書だけではできないことも可能で、授業に非常に役立っている」と小林誠校長(59)。「授業での目標を子どもたちにどう達成させるかが重要で、端末はそのための道具」と強調する。
ICT教育の意義について、町教育課は「知識や技能の習得だけでなく、思考力や判断力、表現力などを養うことにも有効」と説明。加えて「松田の教育に特色を持たせたかった」と続ける。本年度までの3年間で、国の交付金を含む約6500万円の予算をかけた。同課は「子どもたちにも先生にもタブレットを活用した授業に慣れてもらい、授業に対する理解度が向上されれば」と期待している。
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