(写真・神奈川新聞社)
参院選は10日の投開票日まで、1週間を切った。神奈川選挙区(改選定数4)に名乗りを上げている候補者の多くは「ラストサンデー」となった3日、大票田の横浜、川崎両市に「集結」。気温がぐんぐん上昇する中、びっしょり汗をかきながら、駅頭や商店街などで精力的に支持を呼び掛けた。
■至近距離で舌戦
幅広い世代が行き交う県内随一のターミナル・横浜駅は絶好のPR場所。公明党新人の三浦信祐さん(41)、共産党新人の浅賀由香さん(36)は同駅西口にわずかな距離感で陣取り、それぞれの主張を展開した。三浦さんは高島屋前で「科学技術で日本を成長軌道に乗せていく」と演説。来援した石井啓一国土交通相は近くで活動する共産党陣営を意識し、「目先の利害で協力する共産、民進両党が力を持てば政治が大混乱する」と批判した。
一方、モアーズ前に半日張り付いた浅賀さんは「国民の声も聞かず、憲法を無視する安倍政権の暴走を許していいのか」と自公政権を非難。若者に向けて「政治は変わらないなんて言わないでほしい」と訴えた。
■全域と一点集中
人口減少社会にあって、依然人口が増えている川崎市も“候補者銀座”。自民党現職の三原じゅん子さん(51)は終日「川崎デー」で、市北部から南下し、スーパーマーケット前などでスポット演説を繰り返した。買い物客らに「女性の負担が軽くなるような政策をやらせてほしい」と支持を呼び掛けた。
民進党現職の金子洋一さん(54)は、利用者が県内有数の川崎駅に絞って活動。立ち止まらずに、行き交う有権者が大半のため「普通の人から豊かになろう」とのキャッチフレーズと自身の名前をセットで連呼、浸透を図った。
■2市をまたいで
横浜、川崎両市をまたにかけて走り回ったのは、民進党元職の真山勇一さん(72)、おおさか維新の会新人の丹羽大さん(39)、無所属現職の中西健治さん(52)。
組織的な支持基盤のない真山さんは、無党派層との触れ合いを求めて活動。党幹部ら応援弁士の「皆さんの1票が最大限に生かされる候補」とのアピールを背に、一人一人と握手を重ねた。
丹羽さんは、若者ら政治に無関心とされる層に思いを届けようと趣向を凝らした。タレントの弟らが駆け付け「Say 丹羽大!」とラップ調の応援歌で盛り上げ、集まった若者らにアピールした。
中西さんは、推薦を受けている自民党比例代表の女性候補と連動して活動する場面も。握手や写真を求められる知名度の高い女性候補の力も借り、「まずは経済、だから中西」とアピールに努めた。
■“激戦地”以外で
横浜、川崎両市から離れて活動する候補者も。社民党新人の森英夫さん(44)は相模原市を中心に遊説。神奈川が沖縄に次ぐ第二の基地県であることを念頭に「犯罪や事故をなくすには米軍基地を撤去するしかない」と力を込めた。看護師でもある森さん。演説途中に「熱中症に気をつけて適宜、水分補給を」とも呼び掛けた。
日本のこころを大切にする党新人の清水太一さん(34)は「大きな政党の選挙カーにはかなわない」と生まれ育った綾瀬市のある県央地区を中心に活動。同党推薦の綾瀬市長選候補者の出陣式にも参加し、「生まれも育ちも綾瀬です」とアピールした。