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(写真・神奈川新聞社)

■「1型糖尿病」を知っていますか?
生活習慣病でも先天性でもなく、突然発症する糖尿病への理解を深めてもらうため、患者らが啓発コンサートを企画した。9月22日、横浜で開かれる「1-GATA Live in Yokohama~あなたは1型糖尿病を知っていますか」には、「島唄」のヒット曲で知られたロックバンド「THE BOOM」の元ベーシスト、山川浩正さん(51)が率いるバンドが出演。自らも患者の山川さんは「患者へも『元気に何でもできる』と伝えたい」と来場を呼び掛けている。

 

糖尿病には1型と2型がある。遺伝的な体質や運動不足、肥満など生活習慣が関係するといわれる2型が9割以上を占める。これに対して、1型は自己免疫疾患で、すい臓の細胞が壊され、血糖を調整するインスリンが分泌されなくなる。患者は毎日、インスリン注射が必要となる。

 

子どものころに発症する人が多いが、保育園や幼稚園の入園を拒否される例があるなど、社会の理解は十分ではないという。だがプロ野球・阪神タイガースの岩田稔投手や英国のメイ新首相ら、それぞれの世界で活躍する1型糖尿病患者もいる。

 

コンサートを企画した実行委員会は、糖尿病治療を主とする医院「H.E.Cサイエンスクリニック」(横浜市磯子区、平尾紘一理事長)で働く1型糖尿病の看護師や薬剤師が中心だ。

 

委員長を務める平山大徹さん(42)は3歳で発症。「39年間、インスリン治療している。社会の誤解を解き、正しい知識を持ってもらいたい」。治療を続けながら3人の子どもを母乳で育てた看護師は「子育てなどを諦めている人がいたら応援したい」と話す。

 

山川さんは2014年に発症した。「THE BOOM」が解散する直前だった。今は適切に血糖値を管理しており、生活への支障はないという。

 

1型糖尿病への正しい理解や、病気に負けずに夢を抱くことの意義を訴えるため、発症後に知り合った仲間とバンド「1-GATA」を結成した。3人のメンバー全員が患者だ。

 

山川さんは「自分や患者が社会で活躍するためには病気を広く知ってもらい、周りの理解を得ることが必要。病気の特徴を知っていれば助かる命もある」と話している。

 

コンサートは午後1時から、県民共済みらいホール(横浜市中区)。入場無料。申し込みは氏名、住所、年齢、連絡先、「1-GATA」への質問を、電話か電子メールで。問い合わせは、同実行委員会(同クリニック内)電話045(831)0031。

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