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(写真・神奈川新聞社)

 

横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)の岸壁が、釣り場として一般に開放されることになった。前身の鉄桟橋が誕生してから123年で初めてとなる釣りイベントは3月11日に行う。“漁場”として専門家も認める環境が整っており、初心者を含めて100人の参加者を募っている。

 

大さん橋は客船が利用する市の港湾施設。保安対策が強化されており、許可を得た人以外は岸壁に立ち入ることができない。

 

ただ、市街地の中心部にあり海に突き出た形状で水深が10メートル超と深いことなど、釣り場としての好条件がそろっていることから、ターミナル側が市や国に働きかけて、客船が寄港しない日に限り岸壁を特別に開放することにした。

 

会場となるのは、大さん橋のみなとみらい21(MM21)地区を望む新港側の岸壁約300メートルと、先端の約110メートルの計約410メートル。

 

昨年10月31日に行われた試し釣りを兼ねた生態調査では体長20センチ以上のアジやメジナを中心に、スズキ、アイナメなどが釣れた。

 

県水産技術センターの主任研究員(54)は「大さん橋の先端はまさに沖釣りと同じ条件である上、客船のスクリューで海水がかき回されて新鮮な水が行き届くので魚が寄り付くのではないか」と分析。海洋環境専門家(60)によると、大さん橋近くの山下公園前の海域に藻場があることも魚の生育環境に良い影響を与えているという。

 

試し釣りでアジを釣り上げた横浜市中区の住民(51)は「実は子どものころ、大さん橋でこっそり釣りをしたことがある」と明かした上で、「大人になって堂々と釣りができることは感無量だ」と話していた。

 

「大さん橋フィッシング・チャレンジ!」は、同ターミナル共同事業体(横浜港振興協会・神奈川新聞社・ハリマビステム)が主催。年間に5回ほど定期的に催すことにしている。

 

参加料は1人1,500円。大さん橋公式サイトから申し込む。岸壁では食・文化・風土を紹介するイベント「大さん橋マルシェ」が同時開催される。問い合わせは、大さん橋ホール事務所・電話045(211)2307。

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