(写真提供:富士屋ホテル/神奈川新聞社)
日本初の本格的なリゾートホテルとして知られる「富士屋ホテル」(箱根町宮ノ下)は7日、来年4月1日から2020年春まで休館すると発表した。国の登録有形文化財になっている本館などの耐震補強やリニューアルが目的。東京五輪・パラリンピックを見据え、「歴史的価値を保ちながら、安全性と快適性を高めて観光客を迎えたい」としている。
同ホテルは、日本を代表するクラシックホテルの一つ。社寺造りの外観が特徴的な本館をはじめ、明治期の典型的な洋館の西洋館、2階建ての食堂棟、校倉(あぜくら)造りを模した外壁の花御殿など6棟が国登録有形文化財となっている。
老舗ホテルとしての歴史がある一方で老朽化が進んでおり、耐震補強工事は本館など7棟を対象に実施する。このうち客室がある4棟は全143室を改装するほか、温浴施設の増設や庭園の改修なども行う。
13年から検討を重ね、五輪開催を見据えて来春の着工を決めた。担当者は「全ての建物がホテルのブランド。現状を踏襲し、100年先にもつなげていきたい」と話している。
1878年開業の同ホテルは、チャールズ・チャプリンやヘレン・ケラーら著名人にも愛され、年間約8万人が宿泊。休館期間中も別館「菊華荘」とベーカリー&スイーツ「ピコット」は営業する。
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