(写真・神奈川新聞社)
国会で審議中のいわゆる「共謀罪法案」に反対の声を上げようと、ジャーナリストやニュースキャスターらが27日、東京・千代田区の参議院会館で「私たちは『共謀罪』法案に大反対です」と銘打って記者会見を開き、声明文を発表した。呼び掛け人にはニュースキャスターの金平茂紀さんやジャーナリストの青木理さんのほか、漫画家の小林よしのりさんら32人が名を連ねた。
声明文では、同法案は過去3度廃案になった、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案と本質的に変わりがなく、「内面の自由、プライバシーを踏みにじる道具になる」と危険性を指摘。成立すれば、捜査機関など権力による監視社会が現実化する恐れがあるとし、「監視のまなざしは人々に内面化されていきます。人々は心を閉ざす方向へと向かいます」と萎縮の拡大を懸念した。
金平さんは「特定秘密保護法や(高市早苗総務相のテレビ局に対する)停波発言など、これまでも抗議の声を上げてきたが、今回の共謀罪法案はレベルが異なる。とんでもないことがこの国で起きようとしている。国民の自由が脅かされる恐れがあることをしっかり伝えなければいけない」と呼び掛けた。
同法案を審議している衆院法務委員会に25日に参考人として出席した小林さんは「一般の人の90%以上の人が『自分はテロや犯罪的なことをやるはずがないから関係ない。そうしたことをやろうと思っている人がいるならさっさと捕まえればいい』と思っているだろう。だから無関心なんだ」と指摘。その上で「だが、いつ自分や自分の子どもが権力の被害者になるか分からない。そうしたとき、いまは物言わぬ人も権力と闘わなければならなくなる。そうした状況をいま想像できるか。そこにかかっている」と訴えた。
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