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(写真・神奈川新聞社)

 

重い心臓病を患い、米国で移植手術に成功した大和市の迫原大輝ちゃん(2)と父親の慶治さん(43)、母親の早紀さん(35)らが11日、大和市役所を訪れた。大輝ちゃんは早紀さんの膝に乗って甘えるなど元気な姿を見せ、両親は「たくさんの方の思いやりを受けて今こうしていられる。思いやりのある子に育ってほしい」と話し、支援に感謝した。

 

大勢の大人に囲まれて緊張した様子だった大輝ちゃんは、名前を呼ばれると「はい」と大きな声で返事をして、笑顔をのぞかせた。両親は「病気だったのが分からないくらい元気です」と報告した。

 

大輝ちゃんは昨年7月に渡米、ニューヨークの大学病院で移植手術を受けた。今年1月に帰国し、東京大学病院へ一時期入院し、同月下旬に退院。現在は自宅で暮らし、定期的に通院している。

 

免疫を抑制するために薬を飲み、毎年継続した検査が必要だが、生活上の制約は感染症の影響からハトや猫に近づかない、といった一部に限られるという。

 

自宅では、好きなものは大人と同じくらいの量を食べ、好物は唐揚げ。帰国時は身長87センチ、体重約11キロだったが、約半年で身長は4センチ、体重は2キロ増えた。屋外で走り回り、最近の関心事は電車。早紀さんは「(病室から)外に出られなければ分からなかったことだと思う」と話し、好きなものを見つけ喜ぶ姿に成長を感じている。また、長女(4)の体操をまねする姿に「できないなりに一生懸命やっている。本当によく笑っている」と目を細めた。

 

渡米して移植手術を受けるため、募金活動が全国に広まり、3億円を超える寄付金が集まった。同市も募金箱の設置で協力した。両親は「力添えがなければどうしていいか分からなかった」と支援に感謝。病気と闘う子どもの親に「諦めないでほしい。必ず元気になるからと伝えたい」と語った。

 

寄付金は治療費や滞在費などに充てられ、支援団体「だいちゃんを救う会」によると余剰金は、重い心臓病などと闘う患者の支援団体に寄付する意向という。

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