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(写真・神奈川新聞社)

 

愛好家が育てたスズムシを配る恒例の「かわさき鈴虫祭り」が27日、川崎市中原区宮内の常楽寺で開かれた。3千匹前後が配られ、せみ時雨が響く暑い境内には、「秋の虫」を求める親子連れで長蛇の列ができた。

 

区内の愛好家でつくる新城鈴虫愛好会(矢野和昭会長)の主催。祭りは、初代会長で歯科医師の故加藤吉次さんら愛好家がスズムシの飼育を通じ子どもたちに生命の尊さを感じてもらうことを願って始まり、半世紀近く続くという。

 

メンバーが自宅で飼育するスズムシを持ち寄り、雌雄合わせて数匹ずつ配られた。家族で来ていた女児(8)は「スズムシの鳴き声はほっとするから好き。家で飼っているスズムシと一緒に育てます」と喜んでいた。

 

矢野会長は「バーチャルなテレビゲームに熱中する子どもも少なくないが、スズムシの姿を通じて命や生き物の尊さを実感してくれれば」と話していた。同会は市を通じて市内の保育園、福祉施設にも寄贈した。

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