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(写真・神奈川新聞)

 

神奈川県農協茶業センター(山北町川西)は、年会費を払った会員を茶畑オーナーとする「足柄茶ファームオーナー」制度を導入し、申し込みを受け付けている。荒廃地対策として同センターが管理する茶園の100坪が対象で、1人につき1坪のオーナーになると一番茶などが年4回届くといった特典が受けられる。同センターは「足柄茶の魅力が広がるきっかけになれば」と話している。

 

オーナーになるのは申し込んだ日から1年間で、年会費は1万5千円。ことし1月25日から受け付けている。

 

春には「自分の茶畑」で収穫された一番茶(500グラム)が、夏秋冬にも足柄茶、紅茶、ほうじ茶のティーバッグ、それぞれ約1キロ、数百グラム、約600グラムが自宅に届けられる。また収穫時期には一番茶と二番茶の茶摘み体験もできる。管理は同センターの従業員が担い、日常的な農作業は一切不要という。

 

同センターは15年ほど前に、荒廃地になりかけていた同町谷ケの茶園約1800坪を生産者から借り、「谷峨モデル園」として茶葉を栽培。従業員が管理している同モデル園の一角でオーナー制度を導入する。

 

高齢化が顕著な同町では、生産者の後継者不足などから農作物の生産量が年々減少。耕作放棄地は、1985年から2015年までで4倍以上に広がった。こうした状況を受け、同センターは荒廃地の食い止めや、足柄茶の愛好者獲得につなげようと、昨秋から制度化に向けて取り組んできたという。

 

茶摘み体験には、より産地への理解を深めてもらう狙いもある。同センターは「足柄茶は苦味、渋味、うま味、甘味のバランスが良いお茶。お茶ができるまでの工程も味も多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 

募集は100人。申し込み・問い合わせは、同センター電話0465(77)2001。

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